山本一郎です。このところ、身の回りで立て続けに介護離職される人を見送ることになってしまい、株主としては実に忸怩(じくじ)たるところがあります。まだまだ働ける人が大事な親族を見守るために仕事を離れるのは忍びない気持ちになる一方、人として幸せに生きるというのはどういうことなのだろう、と柄にもなく深刻に感じてしまうことが多いわけですよ。 人間、いずれ死んじゃうんだとしたら、いい生き方をどう模索するかが大事じゃないですか。人は働くために生まれてきたわけじゃない、カネで生きているんじゃないと思うのです。 その一方で、先日報じられましたように福祉に携わる人の賃金がようやく少し改善されました。カネ回りだけが人間の尊厳ではない、カネだけが人生ではないと思うものの、家族を養い、将来に対する不安を払拭して、仕事に誇りを持てるだけの収入がなければ、介護職員をはじめ福祉に携わる人の気持ちはなかなか充足できないこと