鉄道総合技術研究所(鉄道総研、東京都国分寺市)と伊豆箱根鉄道(静岡県三島市)は2024年3月21日、伊豆箱根鉄道駿豆線大仁駅(同県伊豆の国市)に設置した「超電導き(饋)電システム」を公開した(図1)。電車を動かす電力を超電導ケーブルで供給するシステムで、営業列車の運行に適用するのは「世界初」(鉄道総研)という。 鉄道総研はこれまで、複数の鉄道会社で終電後や始発前に検証を実施しており、開発した技術について2023年3月に国土交通省から鉄道の技術基準を満たす旨の認可を受け、営業列車での運用検証を伊豆箱根鉄道と共同で開始した。 小型で性能の高い冷凍機や、超電導ケーブルと金属ケーブルを接続する装置などの開発により、要素技術はほぼ出そろった。「複数の鉄道会社から導入する場所や規模についての要望を既に聞いている。それに合わせ込んでシステムの容量を拡張するなどの開発は残っているが、実運用できる信頼性を確