前回1月14日掲載の当欄「若者のクルマ離れ、その本質は『購買力』の欠如」には、読者の方々から100件近いコメントを頂いた。感謝申し上げるとともに、貴重なご意見を基にこのテーマを再考してみたい。 前回のコラムでは、若年層のクルマ離れについて、自動車業界からはなかなか聞こえてこない「購買力」という要因を挙げた。そして若年層が経済的にクルマに手が届きにくいという社会の形成には、自動車業界も非正規雇用の拡大という経営を通じて関与してきたということを指摘した。 そうした論旨には「今さら」というコメントも少なくなかった。「不明を恥じよ」と言われても致し方ないが、今回の2万人規模に及ぶ自動車業界での派遣切りや雇い止めが表面化するまで、これほどまでに業界が非正規雇用への依存を高めているとは思い至らなかったのが率直なところだ。 また前回、表に示した20~24歳の年齢層で「1年を通じて勤務した給与所得者数」の