iPadのような新しい機器には、ユーザーやメディアの熱い視線が注がれる。だが、それらが作られている現場にスポットが当たることはあまりない。だが今回、異常な事件で製造の現場が世界の注目を集めることになった。電子機器でも“世界の工場”となった中国の深センで、若い工場従業員の自殺が相次いでいる。いったい何が起こっているのだろう。 ■今年に入って半年で10人の自殺者、未遂も含めると12人も 中国国営新華社通信は5月27日、深センで前日深夜近く、Foxconn Technology(富士康)の工場敷地内の建物から身を投げた23歳の男性が死亡したと伝えた。男性は勤務して1年足らず。そして今年に入って同社の従業員で10人目の自殺者となった。未遂も入れると、6カ月で計12人が自殺を図ったという。 このニュースは、Foxconnの親会社、台湾Hon Hai Precision Industries(鴻海精密