今夏は、神奈川県内で地震や台風により鉄道の運休が多発した。8月末の台風10号などに伴う大雨では、JR東日本(東京都)のトンネル付近で土砂が流入し、小田急電鉄(同)では線路の盛り土が流出、各社運転見合わせが相次いだ。8月9日の最大震度5弱を観測した県西部の地震では、小田急小田原線の一部区間が運転見合わせとなり、X(旧ツイッター)上に「踏切で降ろされて現地解散となった」といったコメントが投稿された。なぜ小田急は乗客を降車させたのか-。同社の担当者は「やむを得ず、苦渋の決断だった」と明かした。 現場となった踏切は秦野市菖蒲の県道710号沿いにある「渋沢8号」で、同線渋沢-新松田駅間の中間に位置する。同駅間の線路の距離は約6・2キロで、小田急線全線において最も1駅間の距離が長い区間だ。 当時車両に乗っていた乗客はX上に「車両から降りて線路を歩くように言われたが、踏切で案内はおしまいですと。真っ暗な