<前の記事> 佐々木俊尚 × 榎本幹朗 対談【前編】 ミュージックグラフについて 佐々木:榎本さんが仰る「ミュージックグラフ」においては、どういう風につながっていくのでしょうか? 榎本:ミュージックグラフという言葉が英語圏の記事に出てきたのは2年ほど前ぐらいですが、定義が曖昧でした。曲と曲のつながりをビッグデータが構築する。人と曲をレコメンデーションがつなぐ。そして音楽をきっかけに人と人がまた繋がっていく。これが僕の定義したミュージックグラフの世界です。まずLast.fmが2003年にこれを実現しました。 例えばLast.fmだと、友達が好きな曲が再生されるフレンドラジオがあります。Spotifyも友達になった人が聴いている曲を聴ける機能があります。これらは言葉とは違うコミュニケーションなんですね。 またLast.fmなどでは、音楽趣味が共通したユーザーが友だち候補としてリストされます。そ