朝の8時前にソウルを出た車は、これといった渋滞にも合わず高速道路をびゅんびゅん飛ばして走る。ソウルから南に2時間。のどかな農村を抜けると、突然、できたばかりでがらがらの高速道路に入る。トンネルを抜けるとそこは別世界だった。 あちこちに工事中のクレーンが見える。そして、巨大な建物群が目に入る。これこそ、新しい韓国政府の世宗(セジョン)総合庁舎だった。 「いや、ここは1週間のうちに町の姿が一変してしまう。すごいことですよ。あそこに見えるのが高層アパート、ここにはデパートを造っています。この工事? 何だったかな? そうだ、国税庁のビルだった」 ソウルから南に120キロ。忠清南道に2012年7月にできたばかりの世宗特別自治市。ここで今、ソウルに続く韓国の「第2の首都」の建設が進んでいる。2012年末に世宗市「常駐」になった大手紙記者は、市内を車で案内しながらこう話してくれた。あちこちでクレーン車や