本のある風景が好きだ。 背の焼けた本のたたずまいが好きだ。 勢いよく閉じた時のパンッという頑丈な音が好きだ。 時に自分の間違いみたいなものに気付かせてくれるその厳しさが好きだ。 わたしの一生を費やしたところで全部は手に取れないその夥しさが好きだ。 ---------- 本のことを書こうと思うと、 どうしても言葉がまとまんないな。 (これからちょっとうっとうしいほどの本の話をします。) ---------- わたしは本が好きだ。 けれど「無類の本好き」ではない。 「本の虫」でもない。 好んで読む本の方面は決まっているし、 ジャンルを絞ったところで そこに精通してるわけでもない。 読んできた本を思い返しても大した量じゃないから 自分のことを読書家とは、 とてもじゃないけど言えないなあと思う。 むつかしい本は、目が文字の上を滑るだけで いつも思っているほどには、読めない。 「受け取れない」ことは