第38回 住宅への資産集中、キャッシュ不足を避けるにはどうするか? ~自宅に住み続けながら現金を手に入れる“リバースモーゲージ”~ さくら事務所取締役会長 長嶋 修氏 2006年5月10日 持ち家のせいで、キャッシュ不足に陥る日本の世帯 せっかくマイホームを購入するのなら、生涯に渡ってその資産価値を存分に活用したいもの。しかし現実はどうだろう。私たち日本国民は、「持ち家」という実物資産が持つ価値を塩漬けにし、まさに「宝の持ち腐れ」にしてしまっているのだ。 一般的に「日本国民は貯蓄ばかりしている」と思われているが、実際はそうでもない。家計資産の内訳を見ると、所有している資産のうち、預貯金をはじめとする金融資産は24%に過ぎない。家計資産のうち割合が最も大きいのは、実は「不動産」なのだ。60歳代では63%、70歳代では64%、全世帯平均では実に71%もの割合を、家計資産のうち不動産が占