PHP研究所の総合月刊誌に「Voice」がある。 「文芸春秋」や「現代」よりも内容の濃い経済や技術に関する記事が多く、専門誌以外では私の最大の愛読誌と言っていい。 このVoiceに、経済ジャーナリストの財部誠一氏が、1年半にわたって「農業が輸出産業になる日」という連載を掲載していた。 先月号で完結し、年内に単行本として上梓される予定。 実に素晴らしい内容だった。 本来は、上梓されてから紹介すべきだが、最後のところがあまりにも感動的だったので、少し早めに紹介することにした。 日本の食料の自給率が40%を切り、日本の農業が瀕死の状態に陥っていることは誰もが知っている。その原因は、ハッキリ言って農政のまずさ。 では、日本の農政のどこが、どのようにまずかったのか? それは、アメリカが世界各国に押しつけたグローバリゼーションにあるとか、各政党の票欲しさのばらまき政策にあるとか、いろいろ言われている。