急速に大きくなる悪性のがんを迅速に見分ける新しい手法を開発したと、国立がん研究センター東病院の研究チームが英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。 松村保広・新薬開発分野長の研究チームは、悪性がんの周りには絶えず微量の出血があり、この血を固めるたんぱく質が働いていることに注目。このたんぱく質に特徴的な構造と、このたんぱく質だけに結合する目印物質を発見した。 この物質をマウスの血管に入れ、コンピューター断層撮影法(CT)で、目印が悪性がんには集まり、悪性度の低いがんには集まらないことを確認した。松村さんは「悪性がんの出血を止めるたんぱく質の構造はマウスも人も同じ。体外から撮影するため、治療が必要ながんを迅速に判別できる。3年以内には臨床試験を始めたい」と話している。