前回の拙稿では、日本におけるインターネット選挙運動解禁に伴う課題について述べた。その最後に、政治家(立候補者も含む)から発信される情報が受け手の有権者に届く過程において、ネットメディアの役割が重要だと指摘した。ネット上に時々刻々と発信される情報の量はあまりにも多く、そのほとんどはすぐに埋もれてしまうし、有権者側がそれらの情報を収集することもまた困難になっているからだ。 有権者が投票行動のための判断を下すのに必要な政策・論点を整理し、多様な見方を提供する、報道の性格を持つネットメディアへのニーズはこれまで以上に高まるに違いない。(本稿では、そうしたネットメディアを仮に「報道型ネットメディア」と呼ぶ。なお、ここで言う「報道型ネットメディア」は、誰でもが何でも投稿できるプラットホームではなく、運営者がより主体的にコンテンツ制作に関わるメディアを指すものとする。) しかし、日本において、企業・団体