学術論文の質の定量的評価の指標として被引用数、つまり他の学術論文に引用された回数がよく使われます。多く引用された論文は、それだけ重要だという考えです。まさにウェブの記事のリンク数とか閲覧数とか様々な人気投票のようなものですね。さらに論文の集合、例えば同一論文誌に掲載された論文、同一人の書いた論文についての評価の指標としてインパクトファクター(impact factor、IF)というものが考案されました。1955年に生まれたこのリバイアサンは考案者の手をも離れて、まるで信用格付けのごとくに研究者の人生をも左右しかねないまでに成長しています。 IF値は本来は論文誌の評価を意図したものであり、IF値が高い論文誌はそれだけ多くの研究者に興味を持って読まれていることを意味します。なので論文を投稿しようとする者は、より多くの読者に読んでほしくて、なるべく高いIF値の論文誌に投稿しようとします。論文誌の