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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (16)

  • キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差が公式にはあまりないのはいいことかもしれない。が、あらゆる社会主義経済の常として、その低い格差は、全体を抑え込むことで実現されているものだ。配給制により、衣住は一応だれにでも確保されることにはなっている。でも、特に住では、物件ごとにロケーションも質もちがう。いいところに住めるかどうか? それは平等ではありえない。結果として、土地利用とか変な無駄だらけ。都心国会議事堂の真向かいに、おんぼろの、ぼくたちから見ればスラムみたいな住宅があり、そしてキューバ最大の商業目抜き通りである、オビスボ通りのど真ん中に、こんな服飾の縫製工場が平気である。日で言えば、銀座

    キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2019/03/02
    面白い/ところでキューバ、都市計画的視点から見ても面白いんだよね
  • 反知性主義2:森本『反知性主義』:ホフスタッターの当事者意識や切実さはないが概説書としてはOK - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    おちゃらけ (承前) まずは少しおちゃらけから。 前回の反知性主義話を書いた直後に、斉藤環が次のようなツイートをした。 あ〜また誤解する人が出てきたので注釈しときますとですね、僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなくて、「地アタマだけは良い連中の実学志向&人文知軽視」のことですんで誤解なきよう。— 斎藤環 3.15発売「まんが やってみたくなるオープンダイアローグ 」 (医学書院) (@pentaxxx) August 21, 2015 さて、8月21日にこのツイートが出てきて、しかもその中で「僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなく」と述べているのは、おそらくぼくの前回 (8月20日)の記述を意識したものだと思う。そうであるにせよないにせよ、ぼくはこういう参照先を明記しないでほのめかしで済ませるやり方は、とても低級な知的堕落だと

    反知性主義2:森本『反知性主義』:ホフスタッターの当事者意識や切実さはないが概説書としてはOK - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 反知性主義1: ホフスタッター『アメリカの反知性主義』 知識人とは何かを切実に考えた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに 反知性主義をめぐるを3冊読んだので、その話をちょっと書こう。なぜそんなものを読もうと思ったかというと、『現代思想』の「反知性主義特集」に対するアマゾンのレビューがぼくのツイッターでちょっと話題になっていたからだ。 「彼らは反知性主義だ」と規定する知性は知性主義的なのか? ぼくはこの特集を読んでいないし、読むつもりもない。が、このレビューの主張はよくわかると同時に、この特集のスタンスについて疑問が湧いてきた。 というのも、このレビューを信じるなら、この特集での「反知性主義」というのは、「自分とちがう考え」のことらしく(たとえば原発推進とか安部政権評価とか)、そしてそれを「反知性主義」と呼ぶのは、要するに「バーカ」というのをご立派に言い換えているだけらしいからだ。 さて、まずぼくはこの手の言い換えが嫌いだ。ぼくはしばしば、バカをバカとはっきり言うので、性格が悪いとか下品とか言われる

    反知性主義1: ホフスタッター『アメリカの反知性主義』 知識人とは何かを切実に考えた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 桑木野『叡智の建築家』:記憶術が生み出した建築による世界記述と創造 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    叡智の建築家―記憶のロクスとしての16‐17世紀の庭園、劇場、都市 作者: 桑木野幸司出版社/メーカー: 中央公論美術出版発売日: 2014/01メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る おもしろかった。いやあ、分厚いを見ると「きみ、それはワタクシへの挑戦のつもりかね! Challenge Accepted!! ((C) Barney Stinson) 」と言ってしまう傾向があるので、このもついつい買ってしまって、つまんなかったらどうしようと思ってしばらく寝かせていたんだが、よかったよかった。 記憶術というのがあって、詳しくはパオロ・ロッシ『新装版 普遍の鍵』という得体の知れない(がおもしろいを読んでもらうといいんだけれど、要するにいろんなことを記憶するために、それを具体的な建物の物理的な特長と関連づけつつ整理する技法だと思えばいい。ハリス『ハンニバル』を読んだ人な

    桑木野『叡智の建築家』:記憶術が生み出した建築による世界記述と創造 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 椹木『アウトサイダーアート入門』:いまさら何さわいでんの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    アウトサイダー・アート入門 (幻冬舎新書) 作者:椹木 野衣幻冬舎Amazon まともなエスタブリッシュメントのオゲージュツカのアートに対して、キチガイや犯罪者が作ってしまった体制の外のアートがあるのだ、そういうのに注目してエスタブリッシュメントに対してそれをつきつけねばならない、という。 何騒いでんの、という感じ。 キチガイや犯罪者の作る作品があれこれもてはやされるって、昔からの話じゃないの? 耳切り落としたヤツとか、死刑囚で小説書いてほめられたやつとか、「狂気のナントカ」って昔から迫力ある芸術を誉める十八番の言い回しだし。 だから、アウトサイダー・アートなるものが存在し、そこに何か対立構造があって、という発想自体が今さらで古くさい。というか、世間的な評価はむしろ逆で、その「アウトサイダー・アート」的なものを昔から積極的にもてはやす風潮さえある。クスリやってましたとか、ゲイでしたとか、

    椹木『アウトサイダーアート入門』:いまさら何さわいでんの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • マカオのカジノは貧乏人で儲ける - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    もうずいぶん昔から、日にカジノを作ろうとかいう話があちこちで取りざたされていて、オリンピックが決まったのを期に外国人から金をむしれるようにあれこれ、という話も最近はよく耳にする。で、The Economist にアジアのカジノに関する記事が出ていた。 The Rise of the Low Rollers (The Economist, 2013/9/7 pp.53-54) たーいへんに面白いっす。基的には、アジアにもどんどんカジノが今後できるみたいだよ、という記事なんだが、でもその中でもマカオがすごい、という話。やっぱり、ばくちが好きなのは中国人。それと土でつながっているのが何よりのメリット、ということで、さらにいまや香港空港とマカオを橋で直結する計画が進んでいて(ええっ、珠江の河口を横断するの!!??)、またマカオの隣の広東省の島 (横琴) がいまやカジノ特区でマカオのカジノはそ

    マカオのカジノは貧乏人で儲ける - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2013/10/02
    なんともロングテールなビジネスなんですな/マカオは香港と違ってクソみたいな現地観光客が大量にいるので嫌いだ
  • くそ消費税引き上げ記念のウンコねた:ウンコ移植はいかが。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    まあ覚悟はしていたとはいえ、クソみたいな消費税引き上げが決まってしまったので、ウンコネタを。たまたま、家にたまった Science を読んでいたら、こんな記事が: The Promise of Poop (Science, 2013/8/30) 一部の感染症に他人のウンコを移植すると(つまりその人の腸内に別の人のウンコを押し込むと)、直ってしまう症例がたくさんあるんだって。 その理由は完全にわかったわけではないけれど、おそらく腸内の微生物がウンコといっしょに移植されて、それが免疫効果とか挙げるんじゃないか、とのこと。その微生物だけでいいんじゃないの、と思ってしまうのが素人の浅知恵。まず微生物はたくさんいる。そしてウンコをいっしょに移植することで、その微生物の生態系もいっしょに移植される。だからちゃんと定着する、ということらしい。もちろん、あらゆる病気に効くわけではないし、また相性とかもある

    harapon1012
    harapon1012 2013/10/02
    小林製薬にネーミングしてもらいたい
  • 鈴木『なめらかな社会とその敵』ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について、あるいはツイッターでなめ敵とかいって喜んでる連中はしょせんファシズム翼賛予備軍でしかないこと - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なめらかな社会とその敵 作者:鈴木 健発売日: 2013/01/28メディア: 単行 未来のための社会像? 『なめらかな社会とその敵』の想定読者は三百年後の未来人。そこからすれば評者は未開の土人だ。しかしその未開人にも、謙虚な筆致に隠れた著者の熱意と意気込みはわかる。新しい通貨システムの案出など、ジョン・ローの不換紙幣やデヴィッド・チャウムの電子通貨以来かもしれない。しかもその射程はそもそもお金の意味すら変え、社会自体の変革を夢見る遠大なものだ。 著者は、題名通りのなめらかな社会を夢見る。人々の有機的なつながりがたもたれ、様々な関係性の途切れない世界。現代のお金による取引はそれを荒っぽく分断する。投票も一かゼロかの粗雑な選択を迫る。だが、インターネットを使えば、お金も投票もまったくちがった形態を持ち得る。関係性を保ち、様々な評価のフィードバックもある通貨システムもできる。粗雑でない細やか

    鈴木『なめらかな社会とその敵』ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について、あるいはツイッターでなめ敵とかいって喜んでる連中はしょせんファシズム翼賛予備軍でしかないこと - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2013/03/26
    「ぼくはエリートだし、それでもやりようはあるとは思う。だがたぶん本書を無邪気にほめている多くの人々は……よく考えた方がいいと思うぜ。」相変わらず正直だなぁ.流行が落ち着いたらこの本ちゃんと読もう
  • 数年前のできごとなど。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    数年前に、確かあれは何かアート系の宴会だったと思うんだが、顔を出したことがある。ぼくはあまり有名ではないし、あまり知った顔もいなかったんだけれど、まあ何人かとちょろちょろ立ち話をするうちに、ぼくより少し若そうな――そうだな、五つくらい若かったのかな――人物とちょっと話をはじめて、しばらくとりとめもない会話をしたあとで、当然ながら名刺交換とは相成った。相手は、どっかの大学の英米文学の講師かなんかで、だったらぼくのことも聞いたことくらいはあるだろう、とこちらの名刺を出したところ…… 相手は突然顔色を変えた。 「え! 山形浩生さん、なんですか? あなたが??」 ぼくは一般にかなり怖い人だと思われているらしいので、ときどき外見が普通のおっさんなので驚かれることはある。でもその顔色の変え方と口調は、そういう純粋な驚きではなく、むしろ顔面蒼白のヤバイ感じの驚きだった。 そして彼はいきなり 「それはまず

    数年前のできごとなど。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2013/03/05
    なぜ数年前の出来事を急に書いたのかという理由の方が気になる
  • ズーキン『都市はなぜ魂を失ったか』:その金科玉条の「オーセンチック」って何ですの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    都市はなぜ魂を失ったか ―ジェイコブズ後のニューヨーク論 (KS社会科学専門書) 作者: シャロン・ズーキン,内田奈芳美,真野洋介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/01/12メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 58回この商品を含むブログ (4件) を見る ニューヨーク論。基的な主張はもう単純で、ジェントリフィケーションいくない! 気に入らない! スタバだめ! おされなカフェとかブチックとかいやいや! どろくさい移民街みたいな貧乏人ががんばってなんか地区の特性が自然にできたのとかがいいの! ということ。 で、彼女はジェイン・ジェイコブズを非常に意識する。ジェイコブズは、マンハッタンのグリニッジビレッジあたりの再開発や道路開発に反対して、ここには住民と商業と街路との有機的な関連があって、それが都市の活気と安全をもたらすんだ、と論じた。大規模再開発はそれを単

    ズーキン『都市はなぜ魂を失ったか』:その金科玉条の「オーセンチック」って何ですの? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2013/02/05
    このエントリと直接は関係ないんだが読んでいて急に渋谷が浮かんだ.渋谷って一時期に急激に持ち上げられて,その後加齢臭がする人々がわんさかきて急激にださくなりヒカリエの完成によって終止符が打たれた感がある
  • 浜野『なんとかはキリストを超えた』:あきれた。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書) 作者:濱野 智史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 新書 ごみくず。このの理屈なら、長島茂雄が自分のアレで「巨人軍は永遠に不滅です」と言ったことをもとに、長島茂雄はキリストを超えたという説だって書ける。主張はすべて、かろうじて必要条件はあっても、十分条件皆無なので、信者以外には一言一句たりとも説得力ないよ。アキバ48を押し立てれば尖閣問題も竹島問題も解決だとさ。やれやれ。前著は少しいいと思ったけれど、今後ぼくはこの浜野の書いたものは目に入れないようにすることにした。もラオスに捨ててきます。こっちの古屋に売って純真なバックパッカーたちの精神汚染を引き起こしてはいけない。 追記 そうそう、ぼくが書でもう一つ耐えがたかったのは、もうを捨てちゃったので正確には覚えてないが、序文の最

    浜野『なんとかはキリストを超えた』:あきれた。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2012/12/11
    こういう本を見ていると,名前を売るためにまず一般受けするものをやって,有名になったら趣味に走るという戦略の人が如何に多いかがわかる.某絶望の国の著者も数年後にはサブカル批評とかやってるのかね?
  • 西田『新しい刑務所のかたち』:PFIを口実にした刑務所自体の改革 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新しい刑務所のかたち -未来を切り拓くPFI刑務所の挑戦- (ShoPro Books) 作者: 西田博出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2012/06/28メディア: 単行購入: 4人 クリック: 113回この商品を含むブログ (1件) を見る 十年以上前、書のテーマとなる、公共施設の整備運営を民間に任せるプライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)制度の海外事例を調べたことがある。単なる民間事業委託ではない。事業の自由度を高め、民間の創意工夫の活用で、低コスト高サービスの提供がPFIの真骨頂だ。前例主義や形式主義、事なかれ主義のお役所がそうした自由度を容認するかが課題の一つとなる。 そうした自由度の最もなさそうな刑務所に、この仕組みが導入されたというのには驚いた。 だがそれは、嬉しい驚きではあった。著者はこのPFI制度の導入を機会に、刑務所自体の大幅な改

    西田『新しい刑務所のかたち』:PFIを口実にした刑務所自体の改革 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2012/08/29
    アメリカの例はたしかクルーグマンが問題視してなかったっけ?/これだ http://econdays.net/?p=6748
  • 豊川『群像としての丹下研究室』:「構想力」の具体的な中身を分析したおもしろい本 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    群像としての丹下研究室―戦後日建築・都市史のメインストリーム― 作者: 豊川斎赫出版社/メーカー: オーム社発売日: 2012/05/09メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 320回この商品を含むブログ (6件) を見る 建築家を語るは通常、造形デザイン話に社会文明観や哲学談義を接ぎ木する程度だ。書はそれを遥かに超える。書のテーマたる丹下健三が、通常を遥かに超える建築家だったせいもある。彼は個別建築に留まらず、都市、地域、国土設計にまで大きな足跡を残した。だがなぜそれが可能だったのか? 通常はこれを「壮大な構想力」という一言ですませてしまう。書の手柄は、その「構想力」の中身を詳細に示したことだ。丹下の構想力の背後には地域経済の数理統計分析や産業予測があり、それを造形に変換するための方法論の開発があったのだ。 それを支えたのは、東大の丹下研究室に集った人々だ

    豊川『群像としての丹下研究室』:「構想力」の具体的な中身を分析したおもしろい本 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2012/07/05
    よさげ.買います>id:murashit /そういや,先週この本買った.フランクロイドライトが自分の歴史を捏造してたってのが面白かったよ http://www.amazon.co.jp/dp/4560080402/
  • 新田『アメリカ文学のカルトグラフィ』:あんまり認知地図になってません。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    アメリカ文学のカルトグラフィ ――批評による認知地図の試み 作者: 新田啓子出版社/メーカー: 研究社発売日: 2012/04/19メディア: 単行購入: 1人 クリック: 49回この商品を含むブログを見る 批評による認知地図の試み、というんだが、あまり認知地図にはなっていない。あとがきで、ジェイムソンが認知地図というのはケヴィン・リンチ『都市のイメージ』が発端だと述べているということが書かれているんだけど、それに20年も興味を持ったのであれば、そのケヴィン・リンチが何をやったのか読んでほしいなあ。都市のイメージは(改善の余地はあるけど)邦訳もあるんだから。書では原題が挙げられているだけで邦題もあがっておらず、伝聞として書かれているところを見ると、リンチを読もうと思ったことさえないようにもうかがえるんだが。 都市のイメージ 新装版 作者: ケヴィンリンチ,Kevin Lynch,丹下健

    新田『アメリカ文学のカルトグラフィ』:あんまり認知地図になってません。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • エスピン=アンデルセン『平等と効率の福祉革命』:新しい福祉社会の見取り図を提案する希有な本。ただ監訳者の我田引水解題はないほうがまし。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    平等と効率の福祉革命――新しい女性の役割 作者: イエスタ・エスピン=アンデルセン,大沢真理出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/11/19メディア: 単行購入: 14人 クリック: 506回この商品を含むブログ (11件) を見る 福祉の議論は公共頼みになりがちだ。医療も高齢者も育児も失業も国がもっと金を出せ――でも、家庭や企業も福祉をかなり提供している。そのバランスを見ないとだめだ、と看破したのが書の著者エスピン=アンデルセンだった。きたる高福祉社会に向けて、彼は女性をもっと働かせろと主張した。福祉サービス職を増やし(企業の事業機会)、女性を働かせ(家計収入増大)、税収を増やせ(公共の負担力増大)! この分析と提言は大きな影響を与えた。そして女性の労働進出は進んだ。でもまだ中途半端な水準だ。一方であらゆる社会では格差の固定化と拡大が進んでいる。なぜだろう? 書はこの問題

    エスピン=アンデルセン『平等と効率の福祉革命』:新しい福祉社会の見取り図を提案する希有な本。ただ監訳者の我田引水解題はないほうがまし。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 日本の優位性がホスピタリティ産業、ですって? ご冗談を。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    こんな文を観て、経団連についてのグチはわからんでもないながら、その後の提案にがっかり。 製造業の代替産業として、ちきりんが一番可能性があると思っているのは「ホスピタリティ産業」です。 高いサービスレベル、正確なオペレーション、気持ちの良い対応、そういった“おもてなし”系のスキルが中心価値のひとつとなり得るホスピタリティ産業には、様々な分野が含まれます。 旅行業、小売り業、外産業、調理法、輸送・配送業、美容業界、事務手続き業、修理業、クリーニング業・・・、どれもこれも「モノを作っていない産業」です。昭和のおじさんは、日の「モノ作り産業」に競争力があるといいますが、ちきりんから見れば、日はこれらの「モノを作らない産業」も相当すごいです。 しかもこれらの産業の多くは、「ニッチなグループの中での高付加価値」ではなく、規模を追求することに経験と親和性があります。多くの小売り、外産業はチェーン

    日本の優位性がホスピタリティ産業、ですって? ご冗談を。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    harapon1012
    harapon1012 2011/11/23
    めずらしく山形浩生に同意
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