時代劇が好きで、よく観るのだが、『神谷玄次郎捕物控』(NHK BS時代劇金曜午後8時)を観ていたら「おっ?」と目を引くシーンがあった。 探索中の定廻り同心・神谷が、事件とは何の関わりもなさそうな某藩上屋敷に入っていくので何かなと思いきや。三宝に載った袱紗が出てきて、開けてみれば黄金色。それを神谷は悪びれもせずしれっと受け取って懐に入れる。江戸詰めの藩士が町人と揉め事でも起こしたときに、内々に事を収めてもらえるように、との趣旨である。 こうした金のやりとりのシーンがあるときは、たいてい「この人物はやさぐれてますよー」という表現だったりするのだが、このドラマでは特に意味を持たせることもなく、というかありふれた日常の一コマとして描くというのが珍しいなと思いながら観ていた。 なにしろこのころは「付け届け」なんぞは当たり前なのである。江戸百万都市の治安を与力50騎同心200人の少人数でなんとかするの