増田弘『石橋湛山』を再び読む。 リーダブルだし、面白い。 気になった所だけ。 湛山は新兵として苦労を重ねている(17頁)。 入営時に60kgほどあった体重は48kg台まで減り、在営中ついに回復しなかった。 湛山は軍隊に在籍した一年間に、戦争への嫌悪の情を深くすることとなった。 実弾演習にも恐怖感を覚えた。 彼の平和への思想は、そうした実体験にも基づいている。 当時作られようとしていた明治神宮に対して、かれは何といったのか(27、28頁)。 神社ぐらいで、「先帝陛下」を記念できると思っているのか。 ノーベル賞にならって"明治賞金"を作れ。 こんな風に提言しているのである(「愚かなるかな神宮建設の議」が出典)。 いかにもプラグマティックな石橋湛山、と言えるだろう。 尼港事件の報復措置として、日本軍は、北樺太を占領した(46頁)。 米国は日本に猜疑心を抱き、日米関係は悪化した。 これに対して、湛