6月8 板橋拓己『アデナウアー』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 戦後の西ドイツの首相として敗戦からの復興を担ったアデナウアー。その名前については多くの人が知っていると思います。ただ、その足跡の大きさに関しては日本ではそこまでは知られていないのではないでしょうか? ドイツの世論調査では、1993年まで行われた「最もドイツに貢献した偉大なドイツ人は誰だと思うか?」との質問に1958年からずっとアデナウアーが1位だったとのことですし(2位はビスマルク)、2003年にテレビ局が行った「最も偉大なドイツ人」の調査でも、ルターやマルクスを抑えて第1位に輝いたそうです(iii〜ivp)。 1949年に73歳で首相に就任し、14年間その座にあったアデナウアーについて、著者は「きわめて乱暴に言えば、戦後日本における吉田茂、鳩山一郎、岸信介、池田勇人らの役回りをすべて担ったような存在なのである」