遂に本日、9月18日より『セッション』のレンタルが開始となります。 劇場公開当時、映画評論家の町山智浩さんと、ミュージシャンの菊地成孔さんが論争を繰り広げたことでも有名な作品です。そこで、本項では何故1本の映画から、相反する考え/解釈が生まれたのかをひも解いていくために『セッション』を解体してみます。 ラストまでを含めたネタばれを書きます。未見の方はまず観賞をおススメします。 Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】 主体性の無い男 映画が始まってすぐ、主人公ニーマンと父親が『男の戦い(RIFIFI)』という50年代のフレンチ・ノワール映画を見に来ます。ニーマンは売店の女の子ニコルに気があるのに、じっと見つめるだけです。席につくと父親がデカいポップコーンを持って待っていて、そこにレーズンを入れるのが彼ら父子の習慣のようです。しかし、ニーマンはレーズンが嫌いだ、と告白して父
かつてジャズドラマーを目指した監督が、体験をもとに低予算で作った映画『セッション』が、大ヒットしています。世界で51の映画賞を獲り、日本でも絶賛の嵐。そのなかで酷評したジャズミュージシャン・菊地成孔氏と、この作品を応援する映画評論家・町山智浩氏のネット上での論争も話題になっています。 以下は、論争が注目される前に石黒隆之氏(音楽批評)から寄せられらたレビューですが、これがかなりの厳しい評価。賛否があるほうが盛り上がるわけで、ぜひ映画館に足を運んでみてください。 ============= 4月17日から全国ロードショーが始まった映画『セッション』。世界的なジャズドラマーになりたい青年ニーマンに、音楽学校の鬼教官フレッチャーが怒鳴り散らし、時にはビンタしてまで徹底的にしごき上げる。そんなレッスンの場面が話題を呼び、第87回アカデミー賞で3部門を受賞しました。 ⇒【YouTube】映画『セッシ
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、中原昌也さんの新刊『知的生き方教室』を絶賛。夢中になりすぎてしまったという話をしていました。 (菊地成孔)この間、あの、最近ちょっと、また仕事が立てこんでまして。散歩したりする時間が減ってたんですけど。時間ができたんで、紀伊國屋まで散歩に行きまして。で、中原昌也さんっていう、私の友人でもあり、非常に尊敬する小説家でもあり、音楽家でもある人が新刊を出してまして。『知的生き方教室』っていうね。パッと聞き、普通のタイトルなんですけど。中原くん的にはもう酷い・・・酷いっていうか(笑)。それが中原マナーなんですけど。 『知的生き方教室』っていう最新刊が出てたんで、買ったんですよね。めちゃめちゃおもしろくて。もう、国文学っていうのは中原昌也さんだけでいいんじゃないかな?と思いながら、年甲斐もなくっていうか、本当に中学生以来なんですが、歩きながら読み始めち
女性大行進でのアンジェラ・デイヴィスのスピーチ 2017/1/21 Angela Davis youtu.be スピーチのトランスクリプトはこちらから。 http://www.cosmopolitan.com/politics/a8625754/angela-davis-womens-march-speech-full-transcript/ この試練の時代に、この「女性の大行進」に集まった数多の女性、トランス、男性、若者たちこそ、死にかけの人種主義、異性愛主義的家父長制の文化の蘇りを阻止する強力な力なのだということを忘れないようにしましょう。 私たちは歴史の作り手であり、歴史はウェブページのように簡単に消すことはできません。私たちは、今日の午後、先住民の人々の土地に集まり、大規模なジェノサイドという暴力にもかかわらず、その土地、水、文化、人々のための闘争を続けてきた先住民(first p
The Myth of the Well-Behaved Women’s March お行儀の良い女性大行進という神話 2017/1/24 Jess Zimmerman 原文はこちら。https://newrepublic.com/article/140065/myth-well-behaved-womens-march 1789年10月5日、7000人を超える女性の大群——魚売り、パン屋、市場で働く女性から、郊外の婦人用帽子をかぶった上品なブルジョワ女性まで——がパリからベルサイユまでの12マイルを、ルイ16世の食料庫を開放することを求めて行進しました。この行進をパレ・ロワイヤルで計画した女性たちは、食糧不足、とくに王が数日前に護衛のために贅沢な晩餐会を開いたという噂に憤っていました。女性たちは、一緒に街を救うと誓いました。「私たちがやれば、明日にはもっとマシになる!」 熊手や槍、盗んだ
ついに労働時間の上限規制の話が具体化してきました。 今、報道で出ているのは80時間だそうです。 <残業>「月80時間」上限、政府調整 19年度導入目標 ただ、80時間は過労死ラインと言われている時間数です。 はっきり言って、上限としては不十分だと思います。 たとえば、1ヶ月20日勤務する場合、1日平均12時間労働ということが可能となります。 働き過ぎによる健康被害を防ぐには、月間45時間程度にしないといけません。 この点は労働弁護団が数年前に提言を出していますので、ご参照ください。 そして何より原則は残業なし(8時間上限)で帰れることです。これを忘れてはいけませんね。 *これについては労働団体が署名を集めていますので、よろしければご協力を。 ↓ 8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。 また、例外を多く設けることが予想されます。 記事中にも「運輸業などで認められている適用除外も
台湾人と日本人―基隆中学「Fマン」事件 作者: 田村志津枝出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1996/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る真珠湾攻撃から間もない昭和17年、台湾北部の港町基隆(キールン)中学校、卒業間近に台湾人生徒が特高に連行された謎の事件、半世紀前の同窓生たちを探し訪ね歩くルポ。 日本人が八割、台湾人が二割という学校。卒業記念のスケッチブックを台湾人生徒だけで回していた事を不審に思った日本人生徒達が彼らを集団でリンチ、教師から特高に通報が行った時には誰かに操られた台湾独立運動などという「大罪」が創られていた。 植民地での憲兵隊と特高警察VS被害者の台湾人中学生たち、どれだけ悲惨な事件なのかと読む前から気が重かったけど、単純な構図でもないのが興味深かった。日本人側は学校生活は平等だったと言い、台湾人側は日本人生徒や教師が日頃から制裁と称して台湾人を
町山智浩さんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』にゲスト出演。ご自身が実際に現地で取材をしたドナルド・トランプ大統領就任式典の模様を話していました。 (荻上チキ)まず町山さん、今回はどういった取材をしたんでしょうか? (町山智浩)就任式の周りで行われている、普通のマスコミさんが行かないところを全部回ろうと思いまして……まず最初に行ったのは就任式の最中にマリファナタバコ8400本を無料で配布しようとしている団体のところに行きました。 (荻上チキ)ほう! その団体は何の団体なんですか? (町山智浩)マリファナを自家栽培している人たちなんですけども。今回、トランプの閣僚(司法長官)に指名されているジェフ・セッションズさんが反マリファナなんですよ。だからアメリカはいま、マリファナ解禁に向っているんですけど、また戻るのかもしれないということで、それに対する抗議運動ということで。8400本
南京事件否定論者が最後に逃げ込むのが「しかしとにかく30万じゃない」という主張です。ではこの点について、「新しい歴史教科書をつくる会」が結成されるなど歴史修正主義運動が盛んになる1990年代後半より前の『産経新聞』にはどのような記事が掲載されていたのでしょうか。 1994年に『産経新聞』は「【南京事件の真実】検証断罪史観」という連載を行っています(まだ「自虐史観」じゃなかったわけですね)。連載の第18回から22回までが、当時千葉大学の教授だった秦郁彦氏のインタビュー記事です。 ――「南京事件」における不法殺害の数については、東京裁判の論告でも十万とか二十万とかに分かれていて、詰めきれていないというお話でしたが。 秦 ええ。それで日本側にそれに対抗できるような公的な数字があるかどうかなんですが、松井(石根)中支那方面軍司令官が兵の暴行、不軍紀行為を怒って注意を与えたと法廷で証言していましたの
「中国のスパイ」。仲井真弘多前知事が、街頭やネット上でののしられていた時期がある。祖先が中国から渡来した久米三十六姓であることが材料だった。辺野古新基地を容認すると、手のひらを返したように礼賛された ▼翁長雄志知事は子どもが中国人と結婚した、中国留学中、というデマを基に攻撃された。県議会で「中国に行ったこともない」と否定せざるを得なかった ▼沖縄とゆかりの深い隣国なのだから、交流はむしろ当然だ。一方、市民的自由を認めない、周辺国への軍事力誇示など、今の一党独裁体制はおかしい。そこで、中国脅威論を便利に使う人たちがいる。裏には別の目的がありそうだ ▼この役所の場合は組織防衛か。公安調査庁が中国について「琉球独立勢力に接近」「日本の分断を図る戦略」と報告書に書いた。何度もリストラ対象になり、オウム真理教以外の「敵」を必要としているようだ ▼それにしても。問題にしたとみられる「学術交流」には中国
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く