著者:平井 健介出版社:名古屋大学出版会装丁:単行本(386ページ)発売日:2024-06-25 ISBN-10:481581158X ISBN-13:978-4815811587 内容紹介: 半世紀に及ぶ支配のなかで、台湾は何を経験したのか。経済開発を軸として社会の隅々にまで及んだ統治の実態と、環境の激変を生き抜く台湾人の主体性を同時に捉え、日本最初の植民地における「近代化」の全容と限界を描き出す。「収奪」一色でも賛美・肯定でもない、信頼できる通史の決定版。 なぜ日本統治時代の台湾経済なのか?本書は、「日本植民地の経済成長は「日本のおかげ」であったのか」を問題関心として研究してきた私が、日本統治時代の台湾経済を概説した通史です。 日本統治時代の台湾を概説する書籍は、これまでに何冊も刊行されていますが、それらは主に政治の視点から叙述されていました。しかし、植民地統治の最大の目的は、その資源
第13話 写本ってなんだろう? 秋の特別展「斎王の読んだ物語」の幕が開きました。そこで今回は、その展示の最中に気づいた裏話を一つ。 今回、色々な物語の古写本が展示されています。こういう写本を出すと、必ず寄せられる質問があります。 「何が書いてあるのですか」 「何かてよろしやん。字がきれいやったら」と言ってしまえれば大変楽なのですが、世の中なかなかそうはいきません。 何しろ、二千円札が出たときに、裏に書いてある源氏物語の一部を「読んでくれ」という問い合わせが、各地の博物館に寄せられた、というくらい、古典ファンの方は真面目なのですよ。 ちなみにこの一件、発行元の大蔵省(当時)印刷局では読まれることを全く考えていなかったらしく、この場面は、レイアウトの関係で、文章は上半分がカットされていて、文字を追っただけでは全く意味が通らないのです、そこで、何の関係もないが、「知ってそうな所」に問い合わせが
9月14 上村剛『アメリカ革命』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 アメリカ合衆国の独立は世界史の教科書などでも「独立革命」という名称で書かれています。一方、例えば、インドの独立を「インド独立革命」と記載するケースはほぼ見ません。なぜ、アメリカの独立は「革命」なのでしょうか? 本書はこれを「成文憲法の制定」こそアメリカ独立革命の最大の功績とした上で、その憲法がいかにしてつくられ、そして以下に運用されて政治が定まっていったかを比較的長いスパン(ジャクソン大統領の登場あたりまで)で見ていきます。 煩雑にならないようにわかりやすく書かれていながら、それでいて今までの一般的な見方を覆す刺激的な議論が行われているのが本書の特徴で、「新書らしい」新書です。 入門書としても、それなりに知識がある人が読む本としても面白い内容で、フランス革命に比べて教科書の記述としては「わかりやすい」アメリカ独立
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く