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  • 第3回 映画『金子文子と朴烈』が描かなかったこと | ele-king

    1 『何が私をこうさせたか』は、わずか23歳で獄中自殺した大正時代の活動家・金子文子が遺した膨大な自伝であるが、このタイトルは官憲が文子について最も知りたがり、文子に投げかけ続けた問いそのものである。文子はこの世に存在するものすべてをぶち壊したいと気で思っていた。文子は大逆罪の疑いで引きずり出された法廷を舞台として、同志でありパートナーである朝鮮出身の活動家・朴烈とともに、攻撃的かつ切実な言葉で自身の思想を開陳し続けた。文子を尋問した者、裁こうとした者、取り締まらんとする者は、文子を見て思った──どうして金子文子は、「こう」なのか? 「此の呪いを何処に持って行くか、自然を呪い社会を呪い生物を呪って私は総ての物を破壊して自分は死なうと思ひます。」(『裁判記録』15ページ、カタカナをひらがなに訂正している) 文子の思想はまぎれもなく文子のものであったが、官憲どもは文子から何度も思想を奪おうと

    第3回 映画『金子文子と朴烈』が描かなかったこと | ele-king
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2019/03/25
    "文子は朝鮮の独立運動に深い配慮と理解を示していたとはいえ参加の意思がなかった""朴烈が目指した社会は、朝鮮独立を中継点としているが、その理想の終点は宇宙の万物の絶滅にあった" →実にいい文章。
  • 菊地成孔×大谷能生 ジョン・コルトレーンを語る | ele-king

    2009年にイタリアで発表され、現在では、英、米、仏、デンマーク、ブラジル、アルゼンチンと計7カ国で翻訳版が出版されているスピリチュアル・ジャズ・コミック『コルトレーン』。今年2016年は、ele-king booksでも日版をつくらせてもらうことになり、きっとすでにお買い上げくださった方もいらっしゃることと思います。ありがとうございます。 誰もが知るジャズの巨人コルトレーンの、少年時代、軍隊時代、薬物依存、政治活動、そして恋愛と数々の伝説的レコーディングや時代背景にせまるこの評伝コミックの刊行を記念し、大谷能生さんと菊地成孔さんにご対談をいただくことができました。トークの模様はSPACE SHOWER NEWS「菊地成孔×大谷能生 ジョン・コルトレーンを語る」にて放送、このテキストはその全文を収めたものになります。日人が漠然と抱いているコルトレーン像の虚実を切り分け、その全仕事へと誘

    菊地成孔×大谷能生 ジョン・コルトレーンを語る | ele-king
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2017/12/18
    "どんなつまんないミュージシャンでも…悪いんだけど(笑)、たとえばいきものがかりみたいな音楽ですら政治と宗教は入っているわけ。""大谷:男性ふたり女性ひとりってだけで政治的だね" →男女トリオは政治的(教訓)
  • 第30回:『ザ・レフト』続編:左翼セレブたちの総選挙 | ele-king

    昨年『ザ・レフト―UK左翼セレブ列伝』というを書いた。 で、5月7日に行われた英国総選挙の前後、そこで取り上げた著名人たちにも動きがあったので拙著の続編としてまとめてみたい。 まず、マンチェスターのサルフォードから国会議員に立候補した元ハッピー・マンデーズのベズ。彼はリアリティー党という政党を立ち上げ、今年1月に選挙委員会に登録しようとしたが、以前リアリスト党という政党が存在したことが判明し、有権者の混乱を招くかもしれないので改名せよと選挙委員会から命じられ、ウィー・アー・ザ・リアリティー・パーティー(俺らがリアリティー党だ)という党名に変更している。 のっけからトラブルに見舞われた船出となったが、立候補者3名のミニ政党にしてはさすがに注目を集め、BBCニュースの小政党特集にも招かれ、ベズが党首インタヴューを受けた。吉新喜劇のヤクザ役が着るような派手なストライプのスーツを着て登場したベ

    第30回:『ザ・レフト』続編:左翼セレブたちの総選挙 | ele-king
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2015/05/20
    "みどりの党は、「エコお洒落なミドルクラスのための政党」と呼ばれた頃とは違い、近年は反緊縮や貧困廃絶のカラーを強く打ち出している。" →まあ、この事実だけでも、えげれすが羨ましい!w
  • 第27回:保育士とポリティクス | ele-king

    わたしは保育士である。 で、これはたとえ話だが、ある保育士の落ち度で、いや、こう言ったほうがいい。保育園経営者の明らかなる怠慢や失態や、またはこの経営者が実は児童虐待者で幼児が血を流す姿を見て性的興奮をおぼえる、あるいはその姿をこっそり撮影してその筋の方々に売りさばいて金儲けするなどの腹黒い人間であり、そんな経営者がわざと子供が怪我をする状況を準備していたため、血まみれになった幼児たちが園の庭に倒れているとする。 それを見た保育士はまずどうするだろう。 激怒してオフィスに殴り込み、「こうなったのは非人道的な貴様のせいだ」「貴様などに保育園を経営する資格はない」「やめろ、死ね」と経営者にってかかるだろうか。 んなわけはない。 保育士はまず血まみれで倒れている子供たちに応急処置を施し、必要であれば救急車を呼び、どうも危険な細工が施してあるらしい庭から子供たち全員を避難させ、血を見て泣いている

    第27回:保育士とポリティクス | ele-king
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2015/02/26
    "戦争時や貧困階級では女という性が犠牲になる""人々は…それらを批判し、罵倒し、誤りを指摘する""でも、血まみれで倒れている女たちは放っといていいんだろうか?" →正義の倫理とケアの倫理の対比そのもの(こなみ
  • 第26回:JE SUIS 移民 | ele-king

    なかなか慌ただしい年の初めだった。 昨年末から、連合いの姉たちと交代でアイルランドの姑の介護をしていて、正月はわたしの番だったので姑と一緒に新年を迎えたのだが、帰国した数日後に姑が他界した。で、またアイルランドにUターンすることになったのである。 姑はアイルランドの田舎の小さな村に住んでいた。夫が亡くなるまではロンドンに住んでいたが、未亡人になるとすぐアイルランドに戻った。「黒い肌や茶色い肌の強盗だらけ」のロンドンは大嫌いだったそうで、そんな彼女だから、連合いが東洋人の嫁を貰ったときもネガティヴな反応を示した。姑と舅がロンドンに渡ったのは1950年代で、英国では「犬と黒人とアイルランド人はお断り」などと言われた時代だ。アイリッシュ労働者の家庭も差別されたんだろうが、姑は有色人を自分たちのさらに下に位置する者と思っていた。アイルランドの緑の大地を愛した姑は、ロンドンの喧噪や地下鉄や細い路地を

    第26回:JE SUIS 移民 | ele-king
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2015/01/26
    "「ムスリムはユーモアを解さない」みたいなことを言う人が多いが、移民のユーモアのセンスまで矯正するつもりなのだろうかと…""通夜にあたる「wake」" →James JoyceのFinnegans WakeのWakeはこの通夜と目覚めの掛詞(こなみ
  • 『ザ・レフト──UK左翼列伝』刊行記念筆談(前編) | ele-king

    あるいは単純に、UKセレブの面白人物伝かもしれないが、それは、左翼がサヨクになったこの国で、いまあらためて「左翼」を考える契機かもしれない。それは、ガチガチに固く、真面目にしか政治を語れないことへの刺激剤かもしれない。それは、政治家に舐められている我々への励ましの言葉かもしれない。「ザ・レフト──UK左翼列伝」の刊行を記念して、紙エレキングでも人気の、ブレイディみかこと水越真紀の筆談をお届けしよう。 日を含め、左翼が衰退したすべての国で言われていることだと思いますが、左翼は往々にしてほかの左翼に対して心が狭い。自分こそが正しい左翼なんだと分裂を繰り返し、弱体化してきました。──水越真紀 水越真紀 『ザ・レフト──UK左翼列伝』、一言で言うと、めちゃめちゃ面白かったです。ケン・ローチやダニー・ボイルなど日人もよく知る正統派の「左翼」から意外性のあるミスター・ビーンやハリボタの作者J・K・

    『ザ・レフト──UK左翼列伝』刊行記念筆談(前編) | ele-king
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    haruhiwai18 2014/12/21
    "どうもここ近年、保守党政権の政治が酷いですから、サッチャー世代のレフトのような考えが戻って来てます。若い世代がそれを発見し" →忘れてたけど、えげれすは、労働組合運動「発祥」の地(長い伝統)であったw
  • 第25回:シャンパンと糞尿 | ele-king

    「なぜ革命について語るのがミュージシャンではなく、コメディアンになったのか」 という見出しがガーディアン紙に出ていた。 「レヴォリューション」という言葉を今年の英国の流行語にしたのはコメディアンのラッセル・ブランドだ。 当該記事の主旨はこうである。 「緊縮財政で庶民の怒りが頂点に達している時に、その声を代弁しているミュージシャンがいない。伝統的にその役割を果たしてきたのは音楽界のアイコンだったのに、現代ではそれがコメディアンになっている。何故なのだろう?」 ほおーん。と思った。 音楽界にも緊縮財政への疑念を表明している人びとはいるからだ。 福祉削減になると人々が匂い出す場所じゃ 人は臭い(“McFlurry”) 2014年のUKヒットチャートに入っているアーティストの80%以上は私立校出身の富裕層の子女だそうだ(80年代はわずか10%だったという)。大学や専門学校に進む(つまり、日々の労働

    第25回:シャンパンと糞尿 | ele-king
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    haruhiwai18 2014/12/19
    "下層民にしかエスタブリッシュメントと戦う資格がないのなら…歴史上のいかなる革命も起こらなかっただろう。ゲバラは医学部卒の富裕層" →えげれすは、二度も投獄されたセレブ、B・ラッセルを生んだ国(こなみ
  • 第23回:ソーシャル・レイシズム | ele-king

    「ソーリダリティ、フォエーーヴァー、ソーリダリティ、フォエーーヴァー」 という1915年に書かれた労働者のアンセムで『Pride』は始まる。 『Pride』という英国映画は、炭鉱労働者が一年にわたってストライキを繰り広げた84年から85年を舞台にしている。ストで収入がなくなった炭鉱労働者とその家族を経済的に支援するためにロンドンの同性愛者グループが立ち上がり、GLSM(Gays and Lesbians Support Minors)という組織を結成して炭鉱コミュニティーに資金を送り続けるというストーリーで、英国の中高年はみんな知っている実話でもある。 ************* 少し前、職場でちょっとした事件があった。 というか、地元のメディアに報道されたりしたので、「ちょっとした」という表現は適切でないかもしれない。 保育士という仕事には怖い側面がある。 子供からあることないこと言われ

    第23回:ソーシャル・レイシズム | ele-king
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    haruhiwai18 2014/10/09
    "「自分でがんばれば這い上がれるのに…自分の責任」とソーシャル・レイシズムの概念を信じない人々は言う。が 這い上がって来ようとしても叩き戻されたら 出て来ることなんかできない" →自己責任論の帰結。
  • 第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king

    夏休みにうちの息子を初めてフットボール・コースに通わせた。 これはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCという地域のクラブが運営している小学生向けのコースで、夏休みとかイースター休みとかには必ずやっているのだが、働く親には送り迎えがたいへん不便な時間帯に行われているので、これまでうちの息子は通えなかったのである。 が、今年はどうにか送り迎えの都合がつくことになり、フットボール狂のうちの息子は喜び勇んでコースに行ったのだが、初日からどんよりした顔つきで帰って来た。 「どうしたの」 「ジャパーンはシットだって言われた」 ああ。と思った。グラウンドに彼を送って行ったときに、それはちょっと思ったのである。子供たちのほとんどは、ブライトン・アンド・ホーヴのキットを着ていた。地元クラブ運営のコースなので当前である。少数派として、チェルシーやマンUなどの定番人気クラブのキットを着ている少年たちもいた

    第22回:フットボールとソリダリティー | ele-king
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    haruhiwai18 2014/08/27
    "サッチャーからはじまった個人主義の果てにあった修羅の如きブロークン・ブリテンに、きっとみんな疲れて""ソリダリティーとか言われたら…" →solidarity、ポーランドやスタジアムやコミケで見かけるやつ。
  • 貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回

    今年の英国は、年頭からC4の『Benefits Street』という番組が大きな話題になった。 これは生活保護受給者が多く居住するバーミンガムのジェイムズ・ターナー・ストリートの住人を追ったドキュメンタリーである。が、ブロークン・ブリテンは英国では目新しくも何ともない問題なので、個人的には「なんで今さら」と思った。日人のわたしでさえ何年も前からあの世界について書いてきた(その結果、まで出た)のだ。UKのアンダークラスは今世紀初頭から議論され尽くしてきたネタである。 が、この番組で英国は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。デイヴィッド・キャメロン首相から『ザ・サン』紙まで、国中がこの番組について語っていた。よく考えてみれば、一部のコメディや映画を除き、あの世界を取り上げた映像は存在しなかったのである。 なるほど。アンダークラスは当に英国の蜂の巣だった。というか、パンドラの箱だったのであ

    貧困ポルノ | Benefits Street | ele-king:アナキズム・イン・ザ・UK 第16回
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2014/02/26
    "UKの恥部である階級が、自分たちと同様に個性や感情を持つ人の集まりであることを、この国の社会は認めたくなかったのだ""金と引き換えに、それより大事なものを奪われてしまった" →奪われたのは、労働と尊厳。
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