himaginaryに関するharumanachikaのブックマーク (228)

  • FRBが長期の「インフレ目標」を2%に設定したわけ - himaginary’s diary

    昨日のエントリに対し 「通貨・国債・政府の信用を人為的に下降させたインフレが経済成長を約束させるのか」の反論になっていない。高成長期のインフレと同一視して良いのか。 誰も紙幣を使わない社会にも、国債の残高が限りなく小さな社会にも、好景気は存在する。言い換えれば、信用スプレッドはゼロ以下には潰れない。 というはてぶコメントを頂いたが、それらのコメントと小生の認識との最大のギャップは、流動性の罠をどう考えるか、という点にあるように思う。小生は、とにかく流動性の罠を抜け出すのが先決で、それを抜け出さなければ高成長もへったくれもない、だから取り合えずは脱出に傾注しよう、という認識を持っているのだが、上記のコメントを頂いた方々はそうした認識をお持ちでないように思われる。 その点についての小生の考えを思いつくままに箇条書きで並べてみる。 頂いたコメントからは、インフレには貨幣とは無関係に決まる何らかの

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  • マルクス対コース:ある実証結果 - himaginary’s diary

    雇用契約の実験を行ったエルンスト・フェール(Ernst Fehr)*1らの研究を、クリス・ディロー(Chris Dillow)が取り上げ、それをEconomist's Viewが紹介している。 以下はその概要。 フェールらの研究における一回限りの雇用契約の実験では、51%のプリンシパルがエージェントを搾取した。 マルクスの搾取という考えに沿う結果。 繰り返し雇用契約の実験では、搾取の割合が21%に低下した。 雇用者は、労働者が雇用契約を維持するのを促すために、公平という評判を得ようとした。 この研究から、企業がマルクスの描写する企業ではなくコースの描写する企業となる4つの条件を考察することができる: 公平に関する強い規範の存在 企業が「良き」雇用者としての評判を欲していること この条件は、労働者を巡る競争が存在する完全雇用に近い状況下で満たされやすくなる 強力な組合の存在 労働者が搾取的な

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  • 保守派は組合を支持すべし - himaginary’s diary

    昨日のエントリでは、クリス・ディロー(Chris Dillow)が、コース的な企業をもたらす四条件のうち福祉給付に拒絶反応を示す資主義者を皮肉ったことを紹介したが、それに対し、彼が強力な組合についてスルーしたのはなぜか、という趣旨のはてぶコメントを頂いた。昨日のエントリでは端折ってしまったが、その点についてディローは、以前のエントリにリンクする形で別の議論を展開している。それは即ち、保守派ならば組合を支持せよ、というものである。 ディローがそう主張するのは以下の理屈に因っている。 組合は政府に頼らない自立的な組織である。 国同士を比較した場合、組合の組織率と最低賃金には強い負の相関があるというPhilippe Aghionらの研究は、組合が政府の介入の代替となっていることを示している。おそらく最低賃金以外の規制についても同様。 法律による労働者の保護よりも集団交渉による保護の方が効率的で

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  • ケインズ理論と相対性理論 - himaginary’s diary

    少し前のはてぶで呟いたように、非自発的失業について論じる人はケインズ経済学を裏付けとして用いているのを小生は当然視していたのだが、そのはてぶのリンク先ブログエントリに書かれているように、今の世の中ではそれは裏付けのうちに入らないらしい。その辺りの事情は、ネットで最近見掛けた https://twitter.com/maeda/status/235709226058645505:twitter というツイートに良く表わされている。 このツイートのリンク先では、ケインズ経済学のミクロ的基礎付けを、従来のワルラス的枠組みから離れた形で構築することを試みているとの由*1。そういえば、こちらやこちらにあるように、最近、各経済学者が自分なりのケインズ解釈を相次いで打ち出している。それに便乗するわけでもないが、今日は、ケインズ経済学について小生が前から漠然と考えていたことを、いわば「my two cen

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  • Amazon.co.jp: 金融政策の論点: 検証・ゼロ金利政策: 規久男,岩田, 努,渡辺, 真一,北坂, 隆太郎,小宮, 裕,藤木, 光洋,深尾, 伸之,中原, 誠,斉藤, 宏一,浜田, 重典,白塚: 本

    Amazon.co.jp: 金融政策の論点: 検証・ゼロ金利政策: 規久男,岩田, 努,渡辺, 真一,北坂, 隆太郎,小宮, 裕,藤木, 光洋,深尾, 伸之,中原, 誠,斉藤, 宏一,浜田, 重典,白塚: 本
  • 低成長の時代? - himaginary’s diary

    ケネス・ロゴフがProject Syndicateで、所得成長が必ずしも幸福度の上昇に結び付かないというイースタリンの逆説(Easterlin Paradox)を基に、長期的成長率にこだわることの愚を説いた*1 *2。それに対しWill Wilkinsonが猛然と反論し、ロゴフのかつての教え子だというブライアン・カプランがWilkinsonに軍配を上げている。 Wilkinsonのロゴフ批判は、一つにはベッツィー・スティーブンソン(Betsey Stevenson)とジャスティン・ウルファーズ(Justin Wolfers)によるイースタリンの逆説を反駁した論文に基づいている*3。その論文では「There appears to be a very strong relationship between subjective well-being and income, which hold

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  • 安全資産は不足しているのか? - himaginary’s diary

    というテーマを巡って、デビッド・ベックワースとArpit Guptaというブロガーが論争している。 ベックワースが1/6エントリの(1)でこれまでのまとめを行っているが、彼の主張は、基的に、ここの最後で紹介したようなカバレロ=デロング=Stephen Williamsonの見方と同じく、安全資産への超過需要ないし供給不足が生じていることが今の問題、というものである*1。 安全資産の不足が問題になる理由についてベックワースは、12/19エントリで以下の2つを挙げている。 トリプルA債はレポ取引の担保となるが、Gary Gorton*2はレポ取引がシャドウバンキングシステムでは預金口座と等価であることを示した。従って金融危機に伴う格下げによるトリプルA債の消失は、貨幣の消失と同等の効果をもたらす*3。 トリフィンのジレンマと同様のことが生じる。ここでトリフィンのジレンマとは、基軸通貨を有する

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    harumanachika
    harumanachika 2012/01/09
    トリフィンのジレンマ。
  • 好況時に死亡率が上がる理由 - himaginary’s diary

    がほぼ解き明かされたとして、Robin HansonがこのNBER論文を紹介している(エズラ・クライン・ブログのBrad Plumerエントリ経由)。 以下はHansonの引用から。 We find that most of the additional deaths that occur during times of economic growth are among the elderly, particularly elderly women. … Cyclicality is especially strong for deaths occurring in nursing homes, and is stronger in states where a higher fraction of the elderly reside in nursing homes. … Staff

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  • 近代経済を形作った忘れられた本 - himaginary’s diary

    ダニ・ロドリックをはじめとして製造業ならびに産業政策の重要性を重視する人は少なからずおり、ブログでも何回かそれについて取り上げてきたが(例)、歴史的観点からその重要性に焦点を当てた研究が出た。 Translating Empire: Emulation and the Origins of Political Economy 作者: Sophus A. Reinert出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 2011/10/17メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログを見る ハーバード・ビジネス・スクールのサイトでこのの著者インタビューが掲載されている(Mostly Economics経由)。以下はその要旨。 A British merchant's long-forgotten work, An Essay on

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  • プロテスタンティズムは経済発展に貢献した? - himaginary’s diary

    以前(2009/12/3エントリ)、マックス・ウェーバーの仮説を否定する実証研究を紹介したことがあったが、今度はそれを支持する実証研究が現われた(Mostly Economics経由)。書いたのは欧州大学院のChristoph Basten*1と欧州中銀のFrank Betz。 以下はその冒頭部。 Does culture, and in particular religion, exert an independent causal effect on politics and the economy, or is it merely a reflection of the latter? This question is the subject of a long-standing debate in the social sciences, with Karl Marx and Ma

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  • マネー、マネー、マネー - himaginary’s diary

    昨日のエントリに対しRognlieの真意を問うコメントを頂き、彼とRoweなどの準マネタリストとの争点(特に準マネタリスト側の主張)をいまひとつクリアに記述していなかったことに気付いた。 彼らの意見の相違を乱暴にまとめてしまうと Rognlie 金利は金融政策の鍵。従って金利がゼロに達する流動性の罠は金融政策にとって大きな問題。 準マネタリスト 重要なのは貨幣量。従って金利がゼロに達しても金融政策には発動余地がある。 といった感じになろうか。 なお、両者とも、人々の将来予想が重要だという点では意見が一致している。ただしその場合でも、やはり金利に重点を置くRognlieと、金利を左程重視しない準マネタリスト側とで若干の意見の齟齬が見られる。 その点が一層明確になったのが、昨日紹介したエントリの次エントリにおけるRognlieとデビッド・ベックワースとのやり取りである*1。 そこでは貨幣の三つ

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  • フリードマン・ルールとテイラー・ルールの統合? - himaginary’s diary

    このWCIブログエントリのコメント欄でNick Roweが提示した簡単なモデルがフリードマン・ルールとテイラー・ルールの関係について興味深い洞察を提供しているように思われるので、以下に紹介しておく。 モデルは単純で、以下の2つの式からなる。 インフレ率 = −B(f)×r + 平均予想インフレ率 平均予想インフレ率 = f×直前のインフレ率 + (1-f)×合理的予想インフレ率 ここでfは合理的な価格形成を行わない人の割合であり、B(f)はfの減少関数(B(f)=1/fなど)である。また、rは名目金利である*1。 これをインフレ率=合理的予想インフレ率という合理的期待の仮定を置いて解くと、インフレ率について以下の結果が得られる。 インフレ率 = −(B(f)/f)×r + 直前のインフレ率 ここでfがゼロに近い場合、すなわちほぼ全員が合理的な場合は、名目金利がゼロにならないとインフレ率は直

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  • 何が財政ギャンブルか? - himaginary’s diary

    デロングが、以前ここで紹介した計算を繰り返したエントリをブログの最上段に掲げ、緊縮策が却って財政赤字を拡大させる危険性について強く警告している。 そこでふと、今週目にした5年ほど前の小黒一正氏の論文*1(H/T wrong, rogue and booklog)に、このデロングの考え方を適用したらどうなるだろうか、と考えてみた。 小黒氏の論文では、金利と成長率の比を確率変数と見做し、その変動による債務GDP比率の変化をシミュレートしている。そして、債務GDP比率が一定値に達したらそこで財政破綻と見做す、という仮定の下で、その破綻確率を計算している。いわば、債務GDP比率をノックアウトオプションに見立てているわけだが、ただし、その「権利行使価格」は何らかの推計で導き出したというよりは、2.5や3といった数値を試しに当てはめてみている、という感じになっている。 とりあえずExcel上で小黒氏の

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  • 閾値型フィリップス曲線 - himaginary’s diary

    なるものがNY連銀のレポートで提唱されている(Economist's View経由のWSJブログ経由)。 趣旨は単純で、通常の連続型のフィリップス曲線の代わりに、以下のように閾値を境に傾きが変わるフィリップス曲線を推計しよう、というもの。 式で言えば、通常用いられるような以下の(1)式の代わりに 失業率の値によってその係数βを切り替える(2)式を推計する、ということになる。 ここでπはインフレ率(1〜3期のラグが説明変数に入っている)、πeは長期の期待インフレ率、uは失業率ギャップ(実際の失業率とNAIRUとの差)、zは供給ショック項、εは誤差項である(πe、u、zは1期ラグで式に入っている)。なお、(2)式では、閾値の外では傾きβは同じとを仮定している(=閾値上限を上回った場合と閾値下限を下回った場合で切り分けてはいない)。 この閾値型フィリップス曲線の推計では、(当然ながら)まず閾値を

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  • 所得格差と社会の病理 - himaginary’s diary

    昨日のエントリでは格差問題、一昨日のエントリでは社会の構成員同士の信頼性の問題を取り上げたが、以下のグラフでは両者の間の相関が示されている。 これによると、格差が小さいほど社会の中のお互いへの信頼度が高まるという。 このグラフは、ダニエル・リトル(Daniel Little)*1が以下の書評エントリで同書から引用したものである(Economist's View経由)。 Spirit Level,The: Why Equality Is Better For Everyone 作者: Richard Wilkinson出版社/メーカー: Penguin UK発売日: 2010/03/30メディア: ペーパーバック クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る(邦訳)平等社会 作者: リチャード・ウィルキンソン,ケイト・ピケット,酒井泰介出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日:

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  • ケインズは中央計画経済の支持者だったか? - himaginary’s diary

    先月末にケインズ対ハイエクのラップ対決の第2弾が公開され、早速bradexさんによって日語字幕付きバージョンも作られた*1。 ただ、そこで物議を醸したのが、ビデオ中でハイエクがケインズを中央計画経済の支持者呼ばわりした点。Econospeakでバークレー・ロッサーがその点に噛み付いた。 そのエントリでロッサーは、ケインズがそのようにレッテル貼りされる根拠として、ケインズの著作から以下の2つの文章を引いている。 I believe that the cure for these things is partly to be sought in the deliberate control of the currency and of credit by a central institution, and*2 partly in the collection and disseminati

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  • 幸せな場所では自殺が多い - himaginary’s diary

    という主旨の論文がJournal of Economic Behavior & Organizationに受理されたという。書いたのは、英国のウォーリック大学のAndrew J. Oswald、NYのハミルトン大学のStephen Wu、そしてサンフランシスコ連銀のMary C. DalyとDaniel Wilsonという4人の研究者である。論文の原題は「Dark Contrasts: The Paradox of High Rates of Suicide in Happy Places」。 EurekAlertに紹介記事が載っているが(Economist's View経由)、それによると、今回の研究の特徴は、米国内のデータを用いて分析したことにあるという。以前から、幸福度の高い国で自殺率が高いことは知られており(特にデンマーク)、この研究でも、カナダ、米国、アイスランド、アイルランド、

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  • 失業率と投資の相関関係 - himaginary’s diary

    を巡り、経済ブロゴスフィアで「グラフ戦争(graph fight)」が巻き起こっている。 きっかけは、マンキューが3/29エントリでテイラーの1/14エントリの以下の図を取り上げたことにある。 それによってテイラーのそのエントリに注目が集まったが、そこで一つの焦点になったのが、テイラーがこれを投資から失業率という因果関係で捉え、失業率を減らすためには企業のマインドを改善しなくてはならない、その意味では、中小企業への増税を取りやめ、ワシントンの反企業的なセンチメントを弱めるという最近の政治合意は正しい方向に進んでいる、という党派的な主張に結び付けた点である*1。 それに噛み付いたのがクルーグマンで、今回崩壊が問題になったのは、投資と言っても企業の設備投資ではなく、住宅投資だろう、と指摘した。そして、テイラーが1/14エントリで示したもう一つの図(下図) における投資のグラフを、以下のように住

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  • スティーブ・ワルドマンの「The Great Stagnation」評 - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンの電子書籍「The Great Stagnation」が米ブログ界で話題を呼んでいるが、Interfluidityのスティーブ・ワルドマンもそれについて論考を書き、コーエン人に称賛されている。いつもにも増して晦渋な文章で読むのも一苦労なのだが、以下に簡単にその内容をまとめてみる。 コーエンによれば、1973年以降に我々は大停滞(great stagnation)に陥り、成長率が鈍化した。そのため、人々は期待したほど豊かにはならなかった。その停滞は、技術の変化速度の低下と、それより以前に存在した優位性や技術革新によってもたらされた「容易に収穫可能な果実(low hanging fruit)」を採り尽くしてしまったことによる、とコーエンは述べている*1。 コーエンの提起した問題で最も洞察に富んでいるのは、技術に関することではなく、「収入」ないし「生産」に関することだろう。収

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  • 貧乏人が危機を引き起こしたのか? - himaginary’s diary

    低所得者層への安易な政策対応が経済危機の原因となった、というのはこのところラジャンが熱心に主張しているところであるが、その主張は当然のごとくクルーグマンやMark Thomaなどのリベラル派からは反発を買っている。ただ最近では、リベラル派以外からの批判もぼちぼち出始めているようで、アセモグルが年初のAEA大会でラジャンの見方に異論を唱えるプレゼンを提示した(アセモグルのHPより)。 その内容をProject Syndicateでサイモン・ジョンソンがまとめているので、以下に簡単にそれを紹介してみる(H/T Economist's View)*1。 アセモグルの論点は三つ。 第一は、米国の政治家が低所得者層の有権者の選好ないし欲求に反応したという証拠はあるのか、という点。その点については決定的な証拠とは言えないかもしれないが、例えばプリンストン大学のLarry Bartelsの研究がある。そ

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    harumanachika
    harumanachika 2011/02/17
    ラジャン。