今回の参議院選挙については当然、様々な議論がなされるべきだが、一つの切り口として、党内運営の問題を挙げることができるだろう。党の指導部が広い意味での経営者として党内組織をまとめ上げることができたか否かが、選挙の結果に大きく作用した。 政党というのは作りたい人が作るものであるから、うまくいかないなら勝手につぶれればよい。しかし、今回の選挙結果から見えてきたのは、もはや、現存する各政党の命運や存続を超えた、日本の政治環境そのものの問題である。然るべき政党がすくい上げるべき票をすくい上げる──そうした当たり前のことが全くなされないという深刻な事態がいま日本の政治環境の中に広がりつつあるように思われる。 党内運営の問題といえば、何よりもまず民主党の名前を挙げねばならない。民主党の党内運営がうまく行っていないことはもう誰の目にも明らかだった。党本部の方針で鈴木寛氏に候補が一本化されたものの、それに反