[谷亮子] 思えばヤワラさんは全国区になった時点から,ある意味「勘違い」をし続けてきた。そもそも「ヤワラちゃん」というあだ名も自分でテレビでアピールしてつけたものだ。まだその頃は彼女も子供だったから,マスコミも何も言わなかった。それがいけなかったのかもしれない。 いや,別に柔道家としての彼女を貶めるつもりはない。気を遣っているわけでもなく,媚びるわけでもないが,柔道の試合中の彼女は,「非常に美しい」。闘う人間だけが持つ純粋で真剣な目をしているからだ。闘っている最中の彼女は無心であり,ある頂点を極めた者だけが持つ雰囲気を持っている。 しかし,マスコミの前の彼女にはイラッと来ることが正直多い。「これがオリンピックの時のナマ帯なんですけど」とか「前人未到の6連覇」とか自分で言ってしまうところもそうだが,大学に入ったあたりからやたらと「オンナ」をアピールするようになってきた。「前人未到」などの発