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  • グリーン車の効能 - レジデント初期研修用資料

    公平であることは大切だけれど、サービスを販売する側と受ける側とでは、「公平」の感覚は大きく異なってくる。 恐らくは「えこひいきせよ。その代わり屈するのではなく恩に着せろ」という立ち位置が、サービス業や、人間関係を円滑に回していく上での落とし所になってくる。横車を押す誰かに対して、グリーン車に相当する選択肢を用意することで、不快の機会を遠ざけることができるのだと思う。 岩手県議のこと 外来での待ち時間に憤った岩手県議のblog が閉鎖された。過去ログを掘れば掘るほど燃料が出てくる日記だったから、鎮火の手段としてはこれで正しいのだろうけれど、まだまだ燃えそうな気配は続く。 待ち時間が長いのは事実なのだろうけれど、自分たち病院の側から見ると、日記に書かれた県議の振る舞いは、炎上に見あった理不尽さに思える。逆に言うとこの人は、県議員という偉い立場の人なのに、どうして病院側に「俺を優遇せよ」と命じな

  • 大きな話ができる人 - レジデント初期研修用資料

    少ないリソースをやりくりできる能力と、たくさんの人数や、大きな予算をその大きさなりに使ってみせる能力とでは、求められるものがずいぶん違う。 小さなタスクを正確にこなせる人が増えた一方で、世の中からはたぶん、大きな話を大きく論じられる人が減った。 大きさが変わると道具も変わる 同じ「切る」道具であっても、手術用のメス刃とチェーンソーとでは異なって、「丸太を切る」という問題があった時に、「大きなメス刃」は解答としてふさわしくない。大きな問題を論じるためには「大きな言葉」が必要で、大きな言葉はたぶん、小さな言葉の延長線上には存在しないのだろうと思う。 新人だったころの田中角栄は、選挙の第一声として、「みなさん、あの山を削っちゃいましょう。余った土は海に入れて佐渡ヶ島とつなぎましょう。山がなくなれば雪は全部関東の方にいく。新潟の耕作可能免責は飛躍的にひろがる」とマイクでがなった。 「大きな言葉」で

  • JASRAC の謝罪文について - レジデント初期研修用資料

    音楽著作権協会(JASRAC)が最近出した謝罪の告知 は、組織へのダメージを最少にするという意味において、上手な謝罪のお手に思えた。 以下引用。 雅楽演奏者へのお問い合わせについて. 昨日よりJASRACが雅楽演奏者の方へ著作物使用料の支払いを求めたなど、SNS等での書き込みや報道などがなされていることについて、ご説明いたします。. JASRACでは、全国各地で行われる演奏会などの催物において、JASRACの管理楽曲(以下「管理楽曲」という。)を利用される場合には、催物の主催者の方から手続きのお申込みをいただいた上で、 著作物使用料のお支払いをいただいております。管理楽曲の利用を確認せずに、著作物使用料のお支払いを求めることはございません。. 管理楽曲の利用が定かでない演奏会等の場合、主催者の方に電話や書面等でご連絡をし、管理楽曲のご利用の有無を確認させていただくことがあり、著作権消

  • マンション販売の人が来た - レジデント初期研修用資料

    「節税になるからマンションを買いませんか?」という電話が、病院にはよくかかってくる。 地域を変えながら、今まで仕事をしてきたのだけれど、マンション購入の勧誘電話は、どこでもなぜか、「大阪マンション」を勧めてくる。だいたい6000万円ぐらいでマンションをローンで購入することで、ローンに支払うお金を経費で落とせば節税になり、なおかつマンションは誰か別の人に賃貸することで家賃収入が得られ、最終的に資産になるから、「先生が損をする可能性はありません」とたたみかけてくる。 自分はいつも、勧誘電話をすぐに切ってしまうのだけれど、人によっては話を聞いて、あとから内容を教えてくれたり、あるいは実際にマンションを買って、特に開業医の先生なんかで、マンションを4つぐらい抱えて身動きが取れなくなっている人がいる、なんてうわさ話を聞いたこともある。 物が来た 今いる施設は、事務の段階で電話を断ってくれる。「マ

  • 人事の説得技術 - レジデント初期研修用資料

    最近話題になった、私はこうして退職を強要された/NECリストラ 面談一問一答メモ という記事を読んで、ネットでいろいろ教えていただいたことのまとめ。 独特の言葉遣いについて 記事中では、NECからの退職を拒否した「男性」が、11回も繰り返される面談を通じて、「上司」から退職を要請される。 上司が執拗に繰り返す「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言は、読んでいて息が詰まりそうになる。 男性が何を問うても、上司は同じ言葉を繰り返す。記事の後半、激昂した上司が一瞬、普通の言葉で「男性」を叱ってみせるけれど、すぐにまた「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」という文言に戻る。上司はたぶん、何かの意図があって同じ言葉を繰り返しているのだけれど、自分には当初、その理由がよく分からなかった。 ある意図を達成するために作られた特別な言葉というものがある。有名なのが「記憶にご

  • 危機対応覚え書き - レジデント初期研修用資料

    ファーストサーバーの事故対応や、そのユーザーである「前代未聞空前絶後の無限地獄に叩きこまれた」「阿鼻叫喚のハンバーガーヒルを駆け抜けたサーバ管理者」の方々の、いろんなつぶやきを読んで考えたこと。 口をひとつに 危機対応を行う際には、判断に専念するリーダー役と、発表やコミュニケーションに専念するネゴシエーターと、できれば別々に、それぞれ専属の誰かを置いたほうがいい。 危機の当初は情報が錯綜するし、危機に対応する側も、あるいはその危機から被害を被った側も、様々な「当事者」が情報を発信する。危機に対応する側は、恐ろしく忙しいことになっているにせよ、この情報を放置してしまうと、2ちゃんねるあたりに「現場の声」が匿名で掲載され、ニュースになって収拾がつかなくなってしまう。 佐々淳行のでは、危機対応のリーダーを決定したら、「まずは緘口令をしけ」と説く。記者の人たちが何を聞いても、「命令」がそこにあれ

  • 「ちゃんと」できる人なんていない - レジデント初期研修用資料

    あってはならない「確実に」という作業指示 – プリウスに見るゴムホースの「組み付け基準」 という記事が興味深かった。 「適切」は難しい 「適切に」判断したり、「正しく」組み付けたりすることは、特にそれが100% に近い再現を求められた場合には、とんでもなく難しい。 詳細なマニュアルを作成して、現場にそれを徹底したところで、大きく「適切に判断を行う」と書かれた項目が残っていたら、かならず誰かが間違える。 「適切」な判断や「正しい」組み付けを現場に実現しようと思ったら、マニュアルから「適切」や「正しく」といった言葉を追放すればいい。便利な言葉が禁止されれば不便になって、マニュアルを書く人は頭を抱える。抱えた頭で手順を見直すと、「正しく」やらなくても正しい結果にしかなりようがない、来そうあるべき手順が見つかる。 困っている人は「正しく」やらない 最近部屋を整理していたら、棚の奥から研修医時代

  • 「なぜ?」 の効用 - レジデント初期研修用資料

    従順な現場に支えられた組織は効率がいい。利益に向かって、現場が自発的に「暴走」して、あまつさえ自己責任で法を破ることも厭わないのなら、利益は勝手に増えていく。リーダーはメディアに向かって、きれいな理念を賢しげに語ってみせるだけでいい。 暴言の効果は少ない 暴言で部下を従わせるやりかたや、あるいはみんなを集めてスローガンを叫ばせるようなやりかたは、暴力的な見た目の割りに、実際の効果は少ない。 「絶対にやれ! 」 なんて暴言を行使する上司は、現場の側からは「嫌な奴」に見える。「嫌な奴」の命令に心から従う人は少なくて、明示的な悪役として振る舞う誰かの存在は、現場の空気に対して、一種の安全弁として機能する。 人間をとことん追い詰める、無理の限界をはるかに過ぎて、それでも働くことをやめられない、体を壊したり、亡くなってしまったりする領域に誰かを到達させるためには、暴言だけでは威力が足りない。そうし

  • クレーム対処について - レジデント初期研修用資料

    クレームに正しく対処するためには、そのクレームに対して「正しく恐れる」ことが大切になる。 恐れかたは、少なすぎても、多すぎても、トラブルを生む。正統なクレームに「毅然とした対処」を行うことはトラブルを生むけれど、ちょっとしたクレームに対して大きすぎる反応を返すこともまた、同じぐらいに間違っている。クレームを恐れることは大切だけれど、必要な大きさだけ正しく恐れて、恐れた大きさに見合った対処を行わなくてはいけない。 不快には種類がある 同じ不快の表明であっても、それが主治医の人格や、病院での接遇に対する不快なのか、あるいは医師の技量や治療方針に対する不快なのかで、対応は異なってくる。 人格や接遇に対する不快が表明された場合には、まずはその不快に対して謝意を表明しないといけない。不快に対して最小限の妥協を遅滞なく行った後、「その状況を維持します」と表明するのが正しい対処になる。不快を突っぱねれば

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