「(全市立中学校で)春・夏・冬休みの部活動を休止する」と新潟県加茂市の小池清彦市長が記者会見で発表したのは、8月2日のことだった。同じ日、大阪市の吉村洋文市長が、全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)における大阪市の成績が政令市で最下位だった結果を受けて、市として学テの数値目標を設定し、達成状況に応じて教員の手当を増減させる人事評価の導入を検討すると発表した。 奇しくも同じ日に行われた二つの市長発表について、『二十一世紀の若者論』(世界思想社)などの著作があり、今年7月にも『怠ける権利!』(高文研)を上梓したばかりの小谷敏・大妻女子大学教授は、「首長が教育内容に介入している」と厳しく指摘する。さらに、「教育の政治利用を回避するために教育委員会制度があったはずなのに」とも続けた。 ちなみに「首長」とは、知事や市長など地方公共団体の長のことである。 両市長の発言は、教育委員会の頭越しに行われ
「この暑さでやれるという確信を得ないといけない。ある意味、五輪関係者にとってはチャンスで、本当に大丈夫か、どう暑さに打ち勝つか、何の問題もなくやれたかを試すには、こんな機会はない」。東京五輪組織委員会の会長・森喜朗は、東京の気温が観測史上初めて40度を超えた先月23日、日刊スポーツのインタビューでこう述べている。 【画像】首相時代の森喜朗とジョージ・W・ブッシュ大統領 やれる確信のないまま今日まできたのもなかなかの話であるが、森からすると「東京、暑くね?」と気づくなり、すぐさまサマータイムの導入を政府に申し入れたりしたのは、「仕事できる俺すげー」なのかもしれない。 この森という人物はかつて首相であった。内閣支持率が「消費税(当時5%)並み」などと揶揄されるほどの不人気で、自民党内からも愛想を尽かされ、就任からわずか1年で退任に追い込まれる。 その森が東京五輪組織委員会の会長となる経緯につい
そんなすぎやまにかかればドラクエも「愛国」的に解釈されてしまう。 『WiLL』の2011年12月増刊号『すぎやまこういちワンダーランド』をみてみよう。ここで、すぎやまは淡路恵子と対談し、つぎのように述べている。 「僕がドラクエのストーリーで印象に残っているのは、『ドラクエV』に登場する『光の教団』。怪しい宗教団体が出てきて、司祭が『世の中に武器などというものがあるから戦争が起こるのです。皆さん、武器を捨てましょう』と布教するんです。 村人たちがその言葉を信じて武器を捨てると、途端に魔物の群れが村を襲って占領されてしまう。現状の日本を思ってしまうシーンですよ。『憲法九条を信じて武器を捨てても、相手が武器を持っていたら乗っ取られるぞ』と。 (中略)ドラクエをやっていれば分かるように、平和は戦って勝ち取るものであり、戦う姿勢によって守られるものなんですよ」 すぎやまの「愛国」発言は、歴史認識にせ
広島は「路面電車の街」である。玄関口である広島駅から原爆ドームや安芸の宮島などの観光地はもちろん、八丁堀や紙屋町の繁華街、瀬戸内海へ繰り出す広島港などを結んで市街地を縦横に走る。市民の日々の暮らしから観光まで、広島という町を語る上で欠くことのできない交通機関なのだ。その総距離は、8系統19.0km(その他、広電西広島~広電宮島口間を結ぶ鉄道区間が16.1km)。もちろん日本国内の路面電車では最大規模である。 【写真】原爆ドームのヨコを走る広電 と、ここで他の都市を見渡してみると、広島の路面電車の規模が突出していることが改めてよくわかる。東京都内をかつて走っていた都電は今では荒川線を残すのみだし、名古屋や京都、大阪、福岡などの大都市からはとうの昔に姿を消した。いったいどうして、広島は路面電車の町になったのだろうか。そこには、広島市民たちの路面電車に対する思い、そして1945年8月6日のあの惨
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く