ブログを始めてそろそろ2カ月。 こうやって書いていると、日記文学の素晴らしさにあらためて思いを馳せてしまう。特に事件なんかない、何気ない日常を淡々と書いているだけなのに、なんであんなにも面白いのだろう。 私の魂の師匠3武田百合子さんの富士日記は最高。 (ちなみに、師匠1は幸田文さん) makotagu.hatenablog.com (師匠2は森茉莉さん) makotagu.hatenablog.com 富士日記は何回読んでも本当に面白くて、大好き。夫の小説家、武田泰淳さんと富士にある別荘で過ごす日々を綴っているだけ。ほとんど何も起こらない。でも、目のつけどころや描写が深くて、読み始めると止まらない。 ある8月3日、別荘の管理所で見かけた家族連れの様子が、こんな風に書かれる。 “奥さんはアイスクリーム、ジュース、キャラメルなどを買うのに、いちいち「パパァ、これ召し上がるう?」と肉感的な声を張