国内の野生アライグマが、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染していたことが、東京大と山口大の共同研究でわかった。 これまで国内で確認された野生生物の感染例は鳥類だけで、哺乳(ほにゅう)類では初めて。研究チームは「ウイルスが養鶏場に持ち込まれる可能性がある」とし、対策が必要だとしている。宇都宮市で開催中の日本獣医学会で4日発表された。 H5N1は新型インフルエンザに変異する可能性が高いと指摘されるウイルス。国内では飼育中のニワトリのほか、野生のオオハクチョウ、ハシブトガラス、クマタカで感染例が報告されている。 研究チームは2005年以降に、西日本3か所と東日本1か所の計4か所で捕獲されたアライグマ計988匹の血液を調べたところ、そのうち3か所の計10匹から、過去にH5N1に感染したことを示す抗体を検出した。うち2か所は、過去にH5N1に感染した鳥類の報告がない地域だった。 堀本