太陽光発電などの再生可能エネルギーは、日々の需要に合わせた安定供給の難しさが課題だ。それを解決する電力制御機器を開発しているのが、東大発ベンチャーのデジタルグリッド(東京都文京区)。余剰電力を必要なところへ自在に融通する需給調整の仕組みを構築し、電力システムの進化を目指す一方、発展途上国に恩恵をもたらす電力の“量り売り”といったユニークな事業も展開している。 ■再生エネを自在に振り分け アフリカ東部のタンザニア。コーヒー豆や淡水魚の輸出で経済発展が続くものの、電力普及率は最大の都市ダルエスサラームでも50%程度と低い。市内から車で1時間ほど離れれば照明を灯油ランプに頼る村が多く、欧米企業などが、中間所得層向けに太陽光発電システムを盛んに売り込んでいる。そんな村のいくつかでデジタルグリッドは、昨年5月に「ソーラーキオスク事業」を始めた。 同事業は太陽光パネルと蓄電池、充電器をパッケージ