政府が「地方創生総合戦略」を改訂し、地方大学の振興を新たな目玉策に掲げた。 地元で進学した人への奨学金の充実や、地元企業でのインターンシップへの支援などを行う。 地方大学には、地域を担う人材を育成する役割がある。地元企業と連携し、大学が持つ技術を実用化に結びつけた事例も少なくない。「知の拠点」としてさらなる発展を望みたい。 首をかしげるのは、東京における大学や学部の新増設の抑制を同時に打ち出したことだ。今夏をめどに具体的な検討を進める。 地方の若者の多くが、大学などへの進学や就職時に東京圏へと流出している。これに歯止めをかけて、一極集中を是正するのが目的だという。 だが、東京での受け皿を増やさないことが、直ちに地方大学の振興につながるだろうか。 都会での進学を希望する受験生には、「地元の大学には学びたい学部がない」「大学で学んだことを生かせる仕事が地域にない」といった切実な思いがある。 全