同人作家秋雲先生、という概念がある。史実で、乗艦していた信号員に絵の達者な者がおり、沈みゆく米国航空母艦の様子をスケッチした、というエピソードから、艦隊これくしょんに於ける擬人化キャラクターも随所で絵を描く設定がなされ、「同人活動を行っていて同人誌即売会に参加しているのではないか」という解釈がなされることから生じた概念である。活動ジャンルとして、何故か男性向けであろうという解釈がなされることが多いが、これは秋雲先生と出会う"みんなたち"の願望めいたところがにじみ出たものだと思う。私ですら思う。男の性欲にストライクな絵を描く同人作家が目の覚めるような美人で、気さくに話しかけてくれて、タイムラインで下ネタ混じりのリプライをやりとりする……という一種の理想郷を妄想するだけなら無料、それを物理的な形にまとめて本を出すのも自由、というところから生まれたのが本書、「秋雲先生小説合同 "My Funny