政府が05年に首相官邸でイエメン大統領を招いて開いた夕食会で、赤坂プリンスホテル(現グランドプリンスホテル赤坂)のスタッフが身分証を偽造し、別人になりすまして参加していたことがわかった。官邸側は偽装参加に気づかず、危機管理の在り方が問われそうだ。 同ホテルの説明によると、夕食会は05年11月7日に行われた。政府側からは当時の小泉純一郎首相や閣僚らが出席した。 官邸側から依頼を受けた同ホテルは派遣会社から給仕スタッフを約20人集めたうえで、氏名をあらかじめ官邸事務所に届け出ていた。ところが、当日になって、給仕スタッフ1人が欠勤し、別のスタッフが来たため、ホテルの担当マネジャーは欠勤者になりすますよう指示。「代役」のスタッフは欠勤者の身分証に自身の顔写真を張って偽造した身分証で官邸に入ったという。チェックされず、素通りした。 約1年半後、代役を務めたスタッフがホテルに申し出て問題が発覚。