後部座席に身を沈める橋本龍太郎元首相(中央)=2005年10月、東京・霞が関【時事通信社】 政治取材で「ハコ乗り」とは、政治家や官僚の車に同乗して取材することである。朝、取材対象の自宅や議員宿舎を訪れ、可能なら一緒に車に乗せてもらうのだ。最近はハコ乗りを断る政治家も多いのか、こうした朝回り取材は以前より少なくなっているようだが、今でもハコ乗り取材は残っているという。記者が1人か2人なら、車まで歩いてついていくと、「一緒に乗っていくか」と声を掛けるベテラン議員も何人かいる。 暴走族のように、車の窓枠に座って身を乗り出したりすることもハコ乗りと言うが、これとは異なる。政治家の車でのハコ乗り取材は結構重要で、朝のハコ乗りのおかげで大きな特ダネにつながったこともある。私はそれで「早起きは三文の得」と思うようになった。過去のハコ乗り取材について、幾つか喜怒哀楽のこぼれ話を紹介する。(時事総合研究所代