星の王子さま作者「撃墜」されていた 「わたしが撃ち落とした」。第二次大戦中の一九四四年、フランスの童話「星の王子さま」や小説「夜間飛行」の作者アントワーヌ・ド・サンテグジュペリが地中海を偵察飛行中に消息を絶ったことについて、元ドイツ空軍兵士(88)が撃墜したと六十四年ぶりに証言した。フランス南部の地方紙プロバンスなどが報じた。 名乗り出たのはホルスト・リッパート氏。ドイツ空軍の「撃墜王」の一人として知られ、戦後はドイツ公共テレビのZDFでスポーツ記者をしていた。作家の死の真相を調査、近く書籍「サンテグジュペリ-最後の秘密」を刊行するジャーナリストらの取材に答えた。 リッパート氏は「マルセイユ沖の海上で敵機の翼を撃った。海に真っすぐ墜落した。操縦士の顔は見えなかった」と告白。自身もサンテグジュペリ作品の愛読者だといい「長い間、あの操縦士が彼でないことを願い続けた」と話した。