福島第一で起きた事態は、原発というものがもともと持っている特性を明らかにした。 100万kWレベルの発電量を維持するために、原子炉が出している熱量は莫大である。安全係数を高くとっているため、熱の利用効率は原発の方が低く、同じ発電量の火力よりも、さらに大量の発熱をしている。 熱源は勿論、臨界状態における核分裂という機構である。しかし、臨界状態を止めることは瞬時にできても、その後にも継続する発熱を止めるためには、外部から莫大なエネルギーを使って、冷却を継続することが必要不可欠である。 この特性は、化石燃料の燃焼によって作られるエネルギーとの最大の違いである。化石燃料であれば、燃料の供給を止めれば、とにかく止まる。停止用のエネルギーを注入する必要はない。スパッと止めても、多くの場合、ちゃんと止まるので、問題も起きない。 核分裂だとなぜ発熱が残るのか。核分裂では、ウラン235が2つの元素に分かれる