2015年の年間現金給与総額(事業所規模5人以上)は全国平均が31万3801円であるのに対し、沖縄は24万1212円で全国最低なのは事実です(事業所規模30人以上でも同様に全国最低となります)。 しかし前回見た通り、沖縄の労働分配率は法人企業ではほぼ平均、個人企業も含めると、どのような算出方法によっても全国平均を上回っていることから、労働分配率の低さが低賃金の大きな要因ではなさそうです。 では、なぜ沖縄は賃金が全国一低いのでしょうか? もちろんさまざまな要因があり、単純化して言えるものではありません。沖縄は、前回示した個人企業も含めた労働分配率のうち、生産活動に携わった人の居住地に着目した(県民概念)県民所得を分母の要素とした算出式(1)(注1)より、県内地域で生産されたものに着目した(県内概念)県内総生産を分母の要素とした算出式(3)(注2)の方が労働分配率が低くなり、その下落率がマイナ