「BMWアクティブハイブリッドX6」。大型重量級のいわゆるSUV(Sport Utility Vehicle)にハイブリッド動力システムを搭載したモデルである。 最初にお断りしておくならば、移動空間としての乗用車という私自身の基本的な評価軸に当てはめた場合、手ばなしで高い評価を与えられる存在ではない。ブランド力を前面に押し出し、過剰であることに価値を見出す人々に向けた商品企画である。 では、何に「考えさせられた」のか。 「2モードハイブリッド」の心臓部。濃いブルーの筒状部品がモーターで、2つを組み合わせて駆動と減速時の発電、エンジンによる発電に使い分ける。両側と中間に遊星歯車(プラネタリーギア)を3セット組み込んで、動力混合と同時に7段の変速を行う。トヨタ方式はこの動力混合と変速(連続無段型、つまりCVTと同様)のための遊星歯車は1セットで済ませている。 (c)General Motors