地下世界”アガルタ”を旅するアスナ(声:金元寿子)とシン(声:入野自由)は 異形の神”ケツァルトル”に遭遇する。 (c)Makoto Shinkai/CMMMY アニメ界の物静かな革命児・新海誠監督。29歳のときに発表したデビュー作『ほしのこえ』(02)は、脚本・作画・編集と全てひとりで手掛け、アニメーション=大人数を仕切って商業ベースで作るもの、というそれまでの常識を大きく覆してみせた。その後、『雲の向こう、約束の場所』(04)、『秒速5センチメートル』(07)ではスタッフの人数は増大したものの、”セカイ系”とも呼ばれる独自の作家性は薄れることなく、しっかりキープしている。新海作品は一貫して、”心の距離”がテーマだ。太陽系外にまで行ってしまった同級生の女の子と携帯メールでやりとりをする『ほしのこえ』をはじめ、新海作品の優しい主人公たちは、離ればなれになってしまった、かつて心を共鳴させあっ