顧客への提供価値は、英語のValue Propositionを訳したものであり、顧客にどのような本質的な価値を提供しているかを示す。 たとえば、「企業内研修」というサービスの提供価値は、「人事部の機能をアウトソースすることで、人事部に時間的余裕を提供する」とも考えられるし、「人的側面から経営力強化をサポートする」とも考えられる。もちろん、その両方を含む場合もある。また、劇場は「非日常的な体験を提供し、心を豊かにする場」と考えることもできるし、「感動の機会を提供する場」と考えることもできるだろう。 鎌倉投信のケースでは、単なる投資商品ではなく、「社会形成」や投資家の「豊かなこころの形成(投資家の満足度)」をも価値として提供している。 多くの人は、いきなり具体的な製品やサービスから発想しがちである。それ自体が絶対的に悪いというわけではないが、往々にして顧客が何に困っているのか、何を提供されると