以前から年配の方と話をすると、よく戦時中のことを聞かされたものでした。 戦争直後の厳しい時代のことを話す人たちもたくさんいます。 しかも、なぜか昔を懐かしむような和やかな様子で…。 「もしかしたら、人間というものは苦しかった時代を懐かしく思い出すのではないか?」と、最近思うことがあります。 苦しかった時代の記憶を頭の中に留めておけば、その後の人生で苦難に陥った時「自分はあれほどの苦しみを乗り越えてきた。あれに比べれば今の苦難など大したことはない」と考えることができて、今を乗り越えようという気概が湧いてきます。 つまり、今を生き続けるための人間の生存本能の一種として、過去の苦境という経験値を頭に留めているのではないかと考えるようになりました。 会社を創業した人が会社が経営危機に陥った時、「創業当時に比べればまだマシだ。最悪の場合はまたゼロからスタートすればいい」と腹をくくることができるのと同