世界が哲学に夢中だ。書店に行けば、ビジネス書にも自己啓発本にも、「哲学」という文字が踊る。特に日本では、90年代以降、いくつかの宗教的背景を帯びた事件をきっかけに、敬遠されていたように思える「哲学」。失われた20余年を経て、今、時代はなぜ哲学を求めているのだろう? 哲学だけでなく、宗教学、政治学、消費社会論、観光学、または教育学にも造詣が深い、哲学者・谷川嘉浩氏にインタビューした。 谷川嘉浩:博士(人間・環境学)。1990年生まれ、京都市在住の哲学者。専門は哲学だけでなく、観光学・教育学など多領域に渡る。京都市立芸術大学特任講師、京都大学大学院人間・環境学研究科人文学連携研究員、京都女子大学・近畿大学非常勤講師。著作に、戸田剛文編『今からはじめる哲学入門』京都大学出版会、『ユリイカ 総特集=梅原猛』青土社など。 哲学は、人類の問題解決に寄与してきた。ーそもそも、〈哲学〉とはどういう学問なの
