郵便不正事件に絡み、有印虚偽公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の裁判で、大阪地検特捜部が関係者の供述内容などを記した取り調べのメモを廃棄していたことがわかった。村木被告の弁護人が明らかにした。捜査段階で作成されたメモは、最高裁が、「開示対象の公文書」との判断を示している。弁護側は同被告が事件に関与したとする関係者の供述を否定しているが、「メモの廃棄は信用性の判断を妨げる行為」と批判している。 「事実隠しでは」弁護側批判 村木被告の弁護人は1月27日の初公判で、同被告と共謀したとして逮捕・起訴された自称障害者団体「凛(りん)の会」元会員・河野克史(ただし)被告(69)の弁護人が特捜部に送った文書を証拠として提出、採用された。 この文書によると、河野被告が逮捕前の任意の取り調べで、検察官の意向に反した供述をすると、検察官は机をたたいて「逮捕するぞ」と脅した。逮捕