原子力の安全基準の改定が進められているのですが、新しい安全基準のもとで、原子力は安全だといえるのでしょうか。そもそも、安全性の証明は可能なのか、可能だとして、誰が、その証明責任を負うのか。この根源における国民的了解を抜きにしては、安全性の論議は不毛ですね。 完全な安全性の証明は不可能です。哲学的にいうと、不存在証明は不可能である、ということです。超巨大な隕石が原子力施設の中核部を直撃して原子炉を破壊することは、確率統計的な可能性としては、現実にあり得ないこととみなせますが、だからといって、絶対に起き得ないことを証明できるかというと、それは不可能です。非現実的な極限的微小な可能性でも、理論的な可能性としては、あり得るからです。無限小は、どこまでいっても零にはなりません。零は、連続を超えた飛躍です。 原子力規制委員会は、現存する原子力施設の地下に活断層が存在するかどうかについて、熱心な議論を展