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ブックマーク / yamata14.livedoor.blog (143)

  • さよならピアノソナタ 3 : 徒然雑記

    【さよならピアノソナタ 3】 杉井光/植田亮 電撃文庫 うあああああ、うあああああああっあああっ。 すごい、すごいすごいすごいすごいすごい。とんでもない、とんでもない、これなに? いったいなんなの? なんなんだよ、これは! そう、そうか、そうだ。これもきっと<クロイツェル>なんだよ。<クロウツェル>、クロイツェルだ。そうに違いない。 だとしたら? うんそうだ、この作品もまた、音楽そのものと言ってもいいんじゃないだろうか。音を奏で、旋律を誘い、魂を音符に変えて創り出し、大気を揮わせ心臓を高鳴らせて、メッセージを、想いを伝える、あの音楽というものと、この言葉を紡ぎ世界を作り出し、文字列の中に感情を生み出し、心の重なりを風景として描き、想いを導きだす文芸と言うものと、その根源において何ほどの違いがあるというのだろう。 これは、この作品は限りなくあの<音楽>というものに近しい創造物だ。ここには音も

    さよならピアノソナタ 3 : 徒然雑記
  • 薔薇のマリア X.黒と白の果て : 徒然雑記

    【薔薇のマリア Ⅹ.黒と白の果て】 十文字青/BUNBUN スニーカー文庫 あ、中てられた。なんかもうね、マリアの性別がどうだこうだなんて、この<愛>の前にはどうでもいいことのように思えてきた。当は男だろうが、女だろうが、両性具有者だろうが無性者だろうが。 アジアンはあんな変態だし(この変態性は、マリアの前だけで、単にマリアの前に出るとテンパってしまってこんなキャラクターになってしまってたという事が、ここ数巻のアジアンのクラン<ランチタイム>編で明らかになっているのだが)、マリアはマリアで自分の性別を秘密にしていてなんかコンプレックスもあるみたいな上に、アジアンに対しては好悪が入り混じってグチャグチャになった感情を抱いていて、二人の関係ってのは一見複雑怪奇に絡まり合って、いったいどうなってるのかよくわからない混迷カオスな様相を呈していたものだけれど、アジアンがクラニィの事や今回の一件で追

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  • ギャルゴ!!!!!3 地上最強G級大全 : 徒然雑記

    【ギャルゴ!!!!!3 地上最強G級大全】 比嘉智康/河原恵 MF文庫J コトリさん、それは無防備にも程がありすぎます!(号泣 巨乳風邪という誰が考えたんだと小一時間問い詰めたくなるような地方伝説の流布により、老若問わず軒並み女の人は巨乳ばかりになってしまうなか、コトリさんのあの所業は誘惑なのか? 誘ってるのか? 天然もここまでくると悪辣ですらある。 ただ、もともとコトリさんは頭に花畑が咲き誇っているような能天気な少女であることは確かなものの、今回の春男へのアプローチの無防備さは、ちょっと常軌を逸している。異性に対する来備えて然るべきの最低限の警戒心の喪失、自己防衛能の欠如、さながら神に自らをささげられる贄のごとき喜色めいた態度。 これは、やはり春男が危惧していたとおり、コトリが蜚児であるが故に春男の特異体質に惹かれている、と見て仕方無いんじゃないだろうかと思えてくる。 イベントしては

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  • 俺の妹がこんなに可愛いわけがない : 徒然雑記

    【俺の妹がこんなに可愛いわけがない】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫 ……あ、あは、あはは。これ、すげえわ。 ごめん、正直舐めてた、見縊ってた。もっとこう、あらすじからしてももともと別段仲も良くなかった兄妹が、ふとしたことから急接近してドタバタラブコメな展開に陥るようなものだと思い込んでた。 伏見さんの作品は波長が合うかして、前作の【十三番目のアリス】(続きでないの?)も、かなりお気に入りの作品だったので、そういう系統の話でもどんと来いってな感じで十分楽しめるつもりだったのだけど。 まいった。これはまいった。挙句にラストのあれは、凄まじかった。しかも挿絵つき。 完敗である。まさにタイトル通り、俺の妹がこんなに可愛いわけがない、だ。読者的見地から意訳して描き直すならこうか? 【リアル妹がこんなに可愛いわけがない】 この妹・桐乃。恐ろしく生々しい。兄貴に対する態度とか、もう徹頭徹尾、邪険に

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  • カンピオーネ! 神はまつろわず : 徒然雑記

    【カンピオーネ! 神はまつろわず 】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫 神様を殺すとは如何なることか。 神殺しってと、即発的に思いつくのはあれだ。中二病とかいう単語で括られてしまう単純な武力・戦闘能力で、神様と呼称されるほど強大な存在を叩きのめすパターン。私は、これだって書き方次第でとてつもなく面白くなる手法だと思うんですけどね。好きですよ、そういうの私。 ただ、それは類別するなら物理的な手段による強殺であるわけだ。しかし、神を殺すというのは別に物理的手段に寄らずとも行えることに注目すべき点がある。概念の抹殺、神性の剥奪。伝承の根絶。 基督教における悪魔が、もとは異教の神であることは有名な話だし、身近な日の妖怪も、いくつかは堕ちた神のなれの果てである、なんて論もわるわけで。 面白いのはこの作品、カンピオーネと呼ばれる神殺しという存在は、まったくと言っていいほど先ほど述べた神殺し

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  • ライタークロイス 4 : 徒然雑記

    【ライタークロイス 4】 川口士/柴倉乃杏 富士見ファンタジア文庫 突如審らかにされた皇女ファリアにまつわる真実には、仰天。いやいや、これはまったく想像だにしていなかった。 良く考えたら、ファリアがずっと公式には病弱を装ってる理由って、理由としては弱かったんですよね。そうか、これは逆の発想をするべきだったのか。 しかし、これが真実とするとファリアの兄貴への微妙に苦手っぽそうな対応も、単純にあの性格が苦手というわけじゃなかったんだなあ。ただ、ハイラム兄ちゃんとしたらあれで、ファリアのこと、彼女個人を十分可愛がってるし大事にしてるように見えるんだけど。 主人公のカインは、何度も作中でいろんな人物に評されてるように、同世代の中では槍の技量は飛びぬけてるけど傑出しているわけでもなく、性格的にも朴訥な正義感の持ち主というだけで凡庸のくくりの中にしまわれてしまうような、そんな普通の青年なんですよね。頭

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  • ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ : 徒然雑記

    【ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ】 虚淵玄/広江礼威 ガガガ文庫 ニンジャ! ニンジャすげえよ、ニンジャ! もうなにはともあれニンジャである。なにこのネタキャラと思うなかれ。人間、過程は大事と言えど、到達した頂のあまりの高さを目の当たりにしたなら、もはやそこに至る過程を笑うことすらできず、むしろ敬意を覚えるだろう。人間の可能性に、感動すら覚えるかもしれない。 この男の真摯な想いを、嘲笑うことなかれ。 むちゃくちゃ笑ったけどな!!(大爆笑 いや、でも無茶くちゃカッコいいんですよ、ニンジャ。「ですだよ」姉ちゃんことシェンホアとの一対一の決闘のシーンなんか身震いしましたよ。 色々な意味で(笑 ある意味、ブラックラグーンに登場するに相応しいキャラと言うべきなんだろうか……レヴィたちは、腫れものを扱うような対応だったけど。なにしろニンジャだもんなあ(笑 一方で、バラライカの過去に絡む人物

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  • さくらファミリア! : 徒然雑記

    【さくらファミリア!】 杉井光/ゆでそば 一迅社文庫 ちょ、まっ、そんな叙述トリックありか!? しかも掛けあいの流れの中の一発ネタで使い捨て!? メタ的にかなり大がかりな仕掛けにもできるネタなのかもしれないのに、花粉症のウェットティッシュみたいに使い捨てやがった(笑 【神様のメモ帳】【さよならピアノソナタ】の杉井光の新境地。ドラマや映画で名演を見せる役者だと思ってたら、漫才師も兼任してましたってか? 実のところ、主人公にしてもヒロイン衆にしてもキャラクターとしての個性やインパクトは弱い方だと思うのだけど、そんな印象を印象として残さない怒涛の掛け合い、ボケと突っ込みの応酬、メタネタも辞さない大盤振る舞いのネタ振り販路。 いやいや、これそもそものストーリーの根底を担うネタが危険すぎてデンジャーでございますよ。と、細かい事を気にせず、波に乗ってしまいさえすれば、これは楽しいスチャラカライフ。中盤

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  • 銀色ふわり : 徒然雑記

    【銀色ふわり】 有沢まみず/笛 電撃文庫 嗚呼、これは間違いなく【インフィニティ・ゼロ】の系譜だ。 【いぬかみっ!】や【ラッキーチャンス!】とコメディが続いたため久しく忘れていたけど、この人の原点はここなんだよなあ。 いや、ここに原点があるからこそ【いぬかみっ!】や【ラッキーチャンス!】も底抜けに楽しい雰囲気の裏にひんやりとした暗闇が広がっていて、作品に深みを与えていたんだよなあ。 動くものひとつない無音の雪原にも似た冬の静かな絶望。ひとりぼっちの世界の中で、孤独に震える心を救うのはお互いの手の感触。握った手のひらから伝わる暖かさ。それは寄り添う身体の温もりであり、寄り添う心の優しさ。 黄昏のこどもたち。機会を通してしか人間には認識ができない新たな世代の子供たち。そして、彼らもまた機会を通してしか人間を、生きているもの動物・植物に至るまで認識することができない子供たち。 そんな黄昏のこども

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  • ゼペットの娘たち : 徒然雑記

    【ゼペットの娘たち】 三木遊泳/宮田筝治 電撃文庫 MARVELOUS!! これは素晴らしかった。前作【カレイドスコープのむこうがわ】からけっこう空きましたけど、確実に上手くなってるなあ。見せるべき世界観の骨密度が違いますよ、骨密度が(?) 主人公(?)のサツキ・クガの生活力の皆無さが素晴らしい(笑 天才的な機鋼人形師としての腕前を有しながらも、天才とか芸術家にありがちな自分の興味あること以外の事柄に関しては完膚なきまでに無能。世間知らずで他人とのコミュニケーションの取り方も知らないし根っこのところで知る気もない。こだわる部分は絶対譲らない偏屈で意固地。とくると面倒くさそうな輩なのですが、基的に善人で素直な人物でそうした性格が倦厭されるものではなく、どちらかというと愛嬌となってわりと好かれるタイプなんじゃないでしょうか。 相棒ともいうべき犬型機鋼人形のトルネードが、サツキのどうしようもな

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  • "不思議"取り扱います 付喪堂骨董店 4 : 徒然雑記

    【付喪堂骨董店 4 不思議取り扱います】 御堂彰彦/タケシマサトシ 電撃文庫 はいはい御馳走様御馳走様。もういい加減逆上せそうです、このバカップルめ、バカップルめッ!! もう結婚しちゃえよ! 刻也が口走ってますけど「まだ付き合ってない」って台詞がこの二人の関係を見事に表現してる気がします。ほんとに「まだ」付き合ってない、だけなんですよね。 ……なんで付き合ってないんだ? 不思議なのは、刻也も咲もガツガツと相手のことを求めてないことでしょうか。相手が自分のことを好きなのかどうなのか、という点についてはいささか反応が鈍い。嫉妬やヤキモチはするくせに、ねえ? 相手の自分への気持ちがわからない現状になんら不満を抱いている様子がない。 自分の感情を持て余してて、相手の感情にまで気持ちがおっつかないというのもあるんでしょうが。 おかげで刻也も咲も、相手への気持ちは自覚認識も有するラブマックス状態にも関

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  • 世界平和は一家団欒のあとに 5.追いかけてマイダーリン : 徒然雑記

    【世界平和は一家団欒のあとに 5.追いかけてマイダーリン】 橋和也/さめだ小判 電撃文庫 ああもう、この一家はホントに仲いいなあ。 変に肩肘張った家族愛とかいうのとは違って、自然な形で仲がイイというのが一番ピッタリくる。 ちょっとした昔の家族間のエピソードがキュっと胸にくるんだこれが。子供のころの七姉と軋人が、二人してこっそり母親のあとを付いて回ってた話なんて、子供なりの親への想いが愛おしくて仕方がない。 このシリーズ、ほんとにこういう傍から見たらなんでもないようなささやかなエピソードの作りが巧いんだ。変に大きなイベントじゃなくったって、この一家が家族に対してどんな心情を抱いているのか、慈しんでいったのか。歴史と今が深呼吸するみたいに感じられて、素晴らしいったらありゃしない。 巻を重ねるごとに冴えわたってきている感すらある。ネタ的に長く続けるのはどうなんだろうと当初の心配をあっさりと覆し

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  • 輪環の魔導師 3.竜骨の迷宮と黒狼の姫 : 徒然雑記

    【輪環の魔導師 3.竜骨の迷宮と黒狼の姫】 渡瀬草一郎/碧風羽 電撃文庫 い、胃が痛い(苦笑 普通、魅力的な新ヒロインが登場したら嬉しいもののはずなんだけど、この【輪環の魔導師】シリーズだけはそうじゃないんですよねえ。 フィノの影が凶悪すぎてw なんかもう、魅力的なヒロイン! ってだけで死亡フラグみたいな!? ちょっとでもセロにフラグ立てようものなら、それだけで惨殺の予感がww 来ならドキドキするようなイベントを読んでても、別に意味でドキドキですよ。 二巻で登場したシズクやティアネスは、シズクはアルカインラブだし、ティアネスはそもそも人間じゃないので、当の意味でフィノの反応対象からはズレてたからいいんですけど、今回のイリアード姫はマジやべえ(笑 正直、最後はああいう展開になって逆にホッとしてしまったのは自分だけでしょうか。むしろ、セロたち一行といる方が身の危険が大きかったんじゃないのか

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  • 時載りリンネ! 3.ささやきのクローゼット : 徒然雑記

    【時載りリンネ! 3.ささやきのクローゼット】 清野静/古夏からす スニーカー文庫 MARVELOUS 嗚呼、この清廉にして上品な文章によって紡がれたときめきと優しさの物語の余韻に浸る幸せよ。 それは至福にして恍惚。酷暑のさなかにすら不快の欠片も生み出さぬ胸のぬくもり。清涼にして心地よい心の風よ。 この清野先生の文調の素晴らしさは、ただ物語を刻むだけではなく、あとがきのわずか数ページの文章にすら、豊潤で情緒的な表現と伝播力を潤沢に込められていることからも、如実に体感できるだろう。 正直、ただのあとがきの文章にここまで魅了されてしまったのは初めてである。 畏敬の念を禁じえない。 少女リンネと少年久高の新たな冒険。魔法の扉を抜けた先にある彼らだけの秘密の場所。そこで出会った新しい友達との楽しい時間。 活き活きとした子供たちの溌剌とした躍動、慌ただしい息使いを首筋に感じ、笑い声が耳朶を通り過ぎて

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  • ベン・トー2 ザンギ弁当295円 : 徒然雑記

    ベン・トー 2 (2) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-4) 【ベン・トー2 ザンギ弁当295円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫 これを読み終わった後にべた昼飯がめちゃくちゃ美味かった件について。 いやいや、単なるインスタントラーメンだったのですけどね。この作品の涎垂らしてしまいそうな美味そうな弁当の描写を読まされたあとのこの空腹感こそ、最高のスパイスでございました。 いやもう、めちゃくちゃ「った―! べたー! 美味かったー!」という気分でこの上ない満足感に浸れました。 実はこの【ベン・トー2】、購入直後に途中まで読んで、そのまま置いてたんですよね。たまたま、夕直後の満腹時に読み始めてしまったものだから。置いておいて大正解でした。どんな美味の料理だって、腹が一杯のときにべるのと、空っ腹の時にべるのとでは美味さの桁が違います。 このを読む際には、前がお勧めで

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  • サーベイランスマニュアル 2 : 徒然雑記

    【サーベイランスマニュアル 2】 関涼子/真田茸人 GA文庫 これ、宝って一応16歳なのか。イラストの印象が強いせいかせいぜい12,3歳のイメージなんだけど。いや、言動も幼いところが多いし、内面も直情的なところとか子供っぽいし、イラストのせいばかりとはあながちいえないか。 ともあれ、一巻の時点ではメインヒロインは宝の方かと思ったのですが、今回のを読む限り、ずっと寧にスポットが当たってた。亮輔との交流でも、距離間がぐっと狭まり、お互いに深いところまで踏み込んでしまった感がある。どこか超然としてみんなを見守るような立ち位置を守ってきた…みんなが言うところのお母さん役をしていた寧が、あの瞬間には普通の女の子になってしまってたわけだし。 ただ、その結果があの顛末と言うのは、やっぱりこれは悲劇の類いだ。亮輔にとっては、それは自分の心をむしばむ絶望へのせめてもの抵抗であり、彼なりの足掻きの結果だったん

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  • BLACK BLOOD BROTHERS 9.黒蛇接近 : 徒然雑記

    BLACK BLOOD BROTHERS 9.黒蛇接近】 あざの耕平/草河遊也 富士見ファンタジア文庫 ミミコの発した願いは、波紋となって世界に広がり、そして今、津波となって帰ってくる。 読む前から最高傑作と分かり切っていて、それでも読んだらやっぱり最高傑作で、これはもう悦楽に死すってな感じでありンス。 そう、これぞ歴史の転換点。夜の世界をも揺り動かした激動の二十世紀を経て、今まさに新たな世界が訪れる。 今回はルイのおっちゃんの晴れ舞台ってな感じで、一通して大活躍でした。いや、特に体を動かしたわけじゃなくって会議でふんぞり返ってるだけだったんですけど、その存在感、聡明さ、稚気に老獪さ、すべてが古老に相応しい大きさで、同時にどこかしら以前よりも若々しい覇気があって、なんだか眩しかったなあ。ライバルともいえるドイツの古血を失った後の短編での彼は、なんだか意気消沈、溌剌としたものを失ってしま

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  • 神様のメモ帳 3 : 徒然雑記

    【神様のメモ帳 3】 杉井光/岸田メル 電撃文庫 そうか……あのナルミも大切なもの、守りたいものを見つけたんだなあ。誰かのためじゃなく、自分がそう望むため、こぶしを握る探偵助手ナルミ。 この子はこのままずっと受け身に物事と向かい合い、なんとか折り合いをつけてゆっくりと前に進む子なんだと思っていたのだけれど、この巻で見せた彼の行動はまるで違っていてびっくりした。そして、胸が熱くなった。 君は、今間違いなくカッコいいよ。 戻ってきた彩夏との以前とは違う関係、降って湧いてきた園芸部廃部の動きに、仲間と信じていたテツ先輩の信じたくない過去。戸惑い、迷い、ためらい、悩みながら、苦しみながら、ナルミが選んだのは立ち止まり、眼の前の突きつけられた現実を受け止め飲み下すことではなく、わからないまま迷いながら、それでも自分の心が導く方へ、敢然と突き進むことだった。 四代目やテツのように強くもなく、アリスのよ

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  • とある魔術の禁書目録 16 : 徒然雑記

    【とある魔術の禁書目録 16】 鎌池和馬/灰村キヨタカ 電撃文庫 未だによくわかんないんだが、どうして当麻くんは記憶を失ったんだろう? いや、決して原因を問うているわけじゃなく(一巻の事件の怪我が元というのは理解してます)、もっとストーリーの構成上の見地から、上条当麻という主人公が記憶を失うべき理由がずっとわからなかったわけだが、そろそろその理由らしきものを示してくれるのではないかと期待させてくれる予兆みたいなものが現われてきた。 御坂美琴が、主要登場人物の中で初めてにして唯一、当麻が記憶喪失であるという事実を知りえたことで、何かが動き始めたのではないだろうか。 なんて思うのは、やっぱり上条当麻の根底にあるものが、未だにしっくりこないからなんだろう。 こいつの思考パターンは明らかに異常で異質で、狂的にも関わらず、人から一切の負の要素が見えないんだよなあ。この手の狂人は、なにか理由があって

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  • アスラクライン 10.科學部カイメツ : 徒然雑記

    【アスラクライン 10.科學部カイメツ】 三雲岳斗/和狸ナオ 電撃文庫 ちょっ!? ちょっ!? ちょっと!? これは、衝撃的展開だッ!! あとがきでの作者の言葉じゃないけど、これじゃあ何を口にしてもネタバレだよ。タイトルからある程度不穏な展開を迎えることは覚悟していましたけど……はるかに想像以上でした。そもそも、後半の展開やそれぞれの思惑はまるで予想していなかっただけに、完全に虚を突かれた感があります。 環緒については、前巻で登場した際の纏ってる空気と言うか違和感から、だいたい彼女の抱えていた秘密については察していたんですけど、不覚ながら彼女がそうなら彼も必然的にそうなるという事を、彼の話が出るまでまったく考えていなかったんですよね。そもそも、聞き及んでいた彼の人品と、この世界における彼のキャラクターがあんまりにも違ってたというのもあるんだろうけど。無意識に、その可能性を外していたというべ

    アスラクライン 10.科學部カイメツ : 徒然雑記