バイオリニスト五嶋みどり・龍のママ 節さん:4 100%の努力をすれば100点 2007年07月03日 17歳の龍は、貝のように黙っていた。 06年3月、節と大げんかになった。あることを巡り「人に迷惑をかけてまで自分を通すのは、あほな子どものすること」と一歩も引かない節を、龍はにらみつける。節も感情を抑えきれず、「どうしても人に迷惑をかけるというなら、親を殺してからにしなさい」と迫った。 龍の話を聞いた専門家の配慮で、節は数日間、家を離れざるを得なくなった。 「米は、そういう社会。龍は当然のこととして相談し、後から、そこまでしなくてもよかったかなと思ったんとちがいますか」。節の心の傷は深かった。 * 57回目の誕生日。バラを手に、夫の摩承が迎えに来た。自宅へ戻ると、龍はぽつりと「おなかすいた」と言った。 親子関係は、愛憎半ばした複雑な形をとることがある。龍は後日、自分も母の立場なら同じよう