ダニエル・カーネマンの本作は楽しみにしていたのだが、読むのが遅く、実際読み始めると、既に聞いたような話ばかり。流行り過ぎて、日本の新書で引用されまくったせいだ。著者に罪は無い。また、原典の良さもある。しかし、大部分ネタバレしている。それでも楽しんで読む。 脳の思考回路について。システム1は自動操縦モード。システム2は熟慮モード。ヒューリスティックで直感的、かつ低コストで判断が必要なため、通常システム1で物事を考える。しかし、騙されないように慎重にシステム2を作動する。印象論で人を査定する1に対し、客観性や比較により冷静に判断する2。 人間は生まれた時から、因果関係の印象を受けやすくできているらしい。図形同士が喧嘩をしたり、いじめをしたりするシーンを見たときに、それを解説するような言葉がなくても、人間は図形に感情移入をしてそのストーリーを作り出す。 身体的な反応でも、いずれのシステムを作動さ