ARTZONEにて、渡邉朋也の関西初となる個展「信頼と実績」を開催いたします。 渡邉朋也(1984~)は、最先端技術などにより無意味な行為を膨大に反復し、荒唐無稽な与太をなすことで、現代の技術革新における合理性や簡便さに疑問を投げかける作家です。フライヤーのメインビジュアルとなっている《荒んだ食卓を極力直そう》は、3Dプリンタによって、なくした割り箸の片割れを手元に残った割り箸から作りあげたものです。本作で渡邉は、荒んだ世界を目の前の食卓から少しでも直そうとしており、高度なデジタルファブリケーション技術によって非合理的に割り箸の秩序を回復しています。 タイトルとなる「信頼と実績」は、行為の積み重ねによって信頼を勝ち得てきたことを表す常套句ですが、転じて、「信頼を得たいときの宣伝文句」ともなってきました。渡邉の作品は一見寡黙で、何の情報も観賞者に与えないように思えます。しかし彼の作品は、途方