◇彦根市、原作者双方引かず ファンと業者置き去り ゆるキャラブームの火付け役として全国区の人気を誇る滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」と、ひこにゃんに似た「ひこねのよいにゃんこ」のグッズ販売を巡る争いが泥沼化している。よいにゃんこなどの販売差し止めを求めた仮処分申請が大阪地裁で却下された彦根市側は大阪高裁に即時抗告し、本訴も辞さない構えだ。ひこにゃん騒動の経過を検証し、今後を考えた。【松井圀夫】 ひこにゃんは07年に開催された「彦根城築城400年祭」のキャラクター。市などでつくる実行委が公募し、大阪の「もへろん」さんの作品を選んだ。実行委が著作権を買い取り、ネーミングは公募で決めた。 ところが、原作者考案の「座る」「跳ねる」「刀を持つ」の3ポーズ以外のひこにゃんグッズが出回り、07年11月に原作者側が市などに同祭閉幕後の商標使用中止などを求めて彦根簡裁に民事調停を申し立てた。その結果