長崎県・五島列島の椛島(かばしま)沖で、海上に風車を浮かべる浮体式洋上風力発電の余剰電力で水素を作り、島外で再び電力として使う初の取り組みが進められている。 環境省の実証実験で、地元の五島市も二酸化炭素(CO2)の排出量削減に向けた先端技術を離島振興につなげようと、「クリーンエネルギーの島づくり」を目指している。 環境省によると、椛島沖は一年を通じ、安定して毎秒約7メートルの風が吹く風力発電の適地。環境省は2012年度から最大出力100キロ・ワットの小型機を使った洋上風力発電の実証実験を行い、13年度からは商用規模の同2000キロ・ワットの風車を稼働中だ。風車は約40メートルの羽根が3枚あり、水上に出ている羽根と鉄塔の部分の高さは約100メートル。 椛島沖の風車は一般家庭約1800世帯分の発電能力があるが、島は約100世帯しかなく、電力を使い切れない。このため、九州電力に買電し、約1400