【北京=三塚聖平】中国当局が、株価の下落傾向に歯止めを掛けようと対策に動いている。中国証券監督管理委員会は、譲渡制限付き株式の貸し出しを29日から全面的に禁止した。株価の下落につながる「空売り」の制限を狙っているとみられる。 強まる不透明感措置は28日に発表した。これにより投資家が、株式を借りて売却して利益を得る空売りに必要な株式を調達しにくくなるという効果が見込まれる。 不動産不況の深刻などにより中国経済を巡る不透明感が強まっており、中国の株式市場では株価の下落傾向が続いている。上海市場の代表的指標である上海総合指数は、今月に入って2020年春以来となる安値をつけている。 習近平政権も危機感を強めているもようだ。中国国務院(政府)は22日、李強(りきょう)首相が主宰する常務会議で、市場安定へ「力強く有効な対策を取るべきだ」と指示。市場関係者の間では、中国当局の株価対策への期待が高まってい