カーボンナノチューブが植物に及ぼす影響の調査結果を,中国の研究者達がNatureのScientific Reportsで発表しました. ナノテクノロジーは農業に応用できる? 「ナノテクノロジー」という言葉,一度は耳にしたことがあるかと思います.その名の通りナノメートル(10億分の1メートル)レベルのテクノロジーで,多岐にわたる分野への応用が期待されています.中でも近年注目されているのが「カーボンナノチューブ(CNT)」という炭素の同素体で,六員環が連なった構造(フラーレン)が丸まってチューブ状になったものを指します.これまでの研究により,CNTは薬剤がバクテリアや動植物の細胞・組織を透過するための輸送体となりうることが判明しました.ですがその一方で,生物にとって有害である可能性も示唆されています.その高い透過性によって植物の食用部分(花や果実など)にまでCNTが到達すると,食物連鎖の末に人